
「どうすれば売上を安定させ、顧客にファンになってもらえるのだろうか?」。多くの事業者が抱えるこうした課題に対し、「頒布会」というビジネスモデルが注目を集めています。
その一方で「定期購入とは何が違うのか」「自社で導入する具体的なイメージがわかない」といった声も少なくありません。
本記事では、頒布会の基本的な仕組みから、メリット・デメリットの比較、さらにはシステム選びのポイントまで解説します。
目次
頒布会とは?その仕組みをわかりやすく解説
「頒布会」とは、事業者が独自のテーマに基づいて商品を厳選し、毎回異なる組み合わせの商品を定期的に顧客に届ける販売方法を指します。
その本質は単なる商品販売にとどまりません。「次はどんな商品が届くのだろう?」という期待感や、「普段なら自分では選ばない商品との出会い」といった特別な体験価値の提供にあります。この顧客体験こそが頒布会というビジネスモデルの核心であり、顧客との良好な関係を築くためのカギです。
頒布会の基本的な定義
頒布会は、事業者がテーマに沿って選び抜いた商品を、定期的に顧客へ届けるサービスです。「定期購入」とよく比較されますが、届ける商品の内容がその都度変わるという点が大きく異なります。
定期的に商品が届くビジネスモデルとしては、Amazonの「定期購入」や、デアゴスティーニ社のパートワーク(毎号集めることで1つの作品が完成するシリーズ商品)が広く知られています。頒布会もこれと同様に定期配送の形式をとりますが、頒布会の大きな特徴は、毎回異なるテーマの商品が届くという点にあります。
頒布会の歴史と市場の動向
頒布会はECの普及で広まったと思われがちですが、じつは書籍の定期購読など、古くから存在する販売手法でもあります。頒布会が再び注目されている背景には、「モノ消費からコト消費へ」という消費者意識の大きな変化が見られます。
人々は単に商品を所有するだけでなく、そこから得られる特別な「体験」に価値を見出すようになりました。SNSの普及により、消費者が商品やサービスの体験を共有しやすくなったことも、この市場の成長を支える要因の一つと考えられています。
矢野経済研究所が2023年に発表した調査によると、サブスクリプションサービスの国内市場規模は2022年時点で約8,965億円と推計されており、その後も成長トレンドが継続すると分析されています。頒布会もこうした継続的な関係性を築くビジネスモデルの一つであり、市場の成長性を踏まえると、導入の検討は合理的な経営判断といえるかもしれません。
参考:サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2023年)|株式会社矢野経済研究所
頒布会・定期購入・サブスクリプションの違いを徹底比較
EC事業において、「頒布会」「定期購入」「サブスクリプション」は、いずれも顧客と継続的な関係を築く上で重要なビジネスモデルです。しかし、これらの言葉は混同されやすく、その違いを正確に把握できている担当者の方は少ないかもしれません。
ここでは、それぞれが持つ特性や目的を比較し、自社の戦略に最適な手法を見極めるためのポイントを解説します。
頒布会・定期購入・サブスクの違い
「頒布会」「定期購入」「サブスクリプション」の違いを以下の表に整理しました。顧客に提供する価値や、ビジネス上の目的がどのように異なるのかご確認ください。
<名称別の特徴比較表>
| 比較項目 | 頒布会 | 定期購入 | サブスクリプション |
|---|---|---|---|
| 提供するもの | 事業者が選んだ毎回異なる商品 | 顧客が選んだ毎回同じ商品 | サービスやコンテンツの利用権 |
| 顧客への提供価値 | 新たな発見、ワクワク感 | 利便性、買い忘れ防止 | 自由な利用、所有からの解放 |
| ビジネス上の目的 | 顧客のファン化 | LTV(顧客生涯価値)の最大化、販売の安定 | 継続的な関係構築 |
| 代表的なサービス例 | フェリシモ、デアゴスティーニ | 日用品、化粧品、健康食品の定期便 | Netflix、Spotify |
このように、頒布会と定期購入は「商品」を届けるという点では共通していますが、それぞれ毎回同じ内容かどうかが異なります。一方で、サブスクリプションは物品ではなくサービスの「利用権」を提供する点が大きな違いです。
どのモデルを選ぶべき?商材別の向き・不向き
一般的に、頒布会は食品や化粧品などの消費財には適している一方で、雑貨やアパレルなど、一定数がそろうと不要になりやすい商材には不向きとされてきました。ですが、この通説をくつがえす好例として、フェリシモ社の取り組みがあります。
同社は、「プロによる選定」という付加価値をサービスの中心に据えました。顧客が指定するのは「サイズ」と「好みのテーマ」だけで、色やデザインの最終決定は同社が行う仕組みです。これにより、アパレルという飽和しやすい耐久商材の分野で「次はどんな一着が届くか」という期待感を生み出し、課題を克服した好例といえます。
この事例が示すように、商材の向き不向きという固定観念にとらわれず、いかに創造的な仕組みを設計できるかが重要です。
■合わせて読みたい
「頒布会」と比較されることが多い「定期購入」について、そのメリットや成功のポイントをより深く知りたい方も多いでしょう。下記の記事では、EC事業の安定化に不可欠な定期購入モデルを網羅的に解説していますので、ぜひご一読ください。
EC事業者が頒布会を導入する5つのメリット
頒布会は、EC事業に多くの恩恵をもたらす可能性を秘めています。ここでは、主要な5つのメリットについて解説します。
単に売上が安定するといった側面だけでなく、頒布会が自社のビジネス課題を解決する一手となり得るか、ぜひ具体的なメリットをご確認ください。
メリット1:売上の安定化と予測精度の向上
頒布会の特徴の一つは、継続的な購入により売上予測がしやすくなる点にあります。もちろん、事業規模や商品の性質、顧客ニーズ、運用体制によっても異なりますが、都度購入に依存するビジネスモデルと比べて予測精度が格段に向上します。
この予測精度の高さは、事業継続における安心感だけでなく、適切な在庫管理によるキャッシュフローの改善にも直結します。さらに、データに基づいた効果的なマーケティング施策への投資判断も行いやすくなり、戦略的な事業運営が実現可能です。
メリット2:LTV(顧客生涯価値)の最大化
頒布会は、顧客との関係を長期的に維持することでLTV(顧客生涯価値)の向上を目指せるビジネスモデルの一つです。継続的に顧客と接点を持つことで、ブランドへの理解や愛着も自然に深まります。
これにより、短期的な売上だけでなく、1人の顧客が事業にもたらす総利益を大きく伸ばすことが可能です。新規顧客の獲得コストが増加傾向にある今、既存顧客との関係を深めるというLTVの視点は、より一層重要になっています。
メリット3:顧客のファン化とエンゲージメント強化
頒布会が提供するのは、商品そのものだけではありません。「毎月何が届くのだろう」という期待感や、新しい商品との出会いがもたらす「体験価値」も、顧客にとっての大きな魅力です。事業者がこだわりを持って選んだ商品が届くたび、顧客は新たな発見をし、その感動をSNSなどで共有したいという気持ちが芽生えるでしょう。
こうした顧客からの自然な口コミは、新規顧客の獲得につながるだけでなく、既存顧客のエンゲージメントを強化する効果が期待できます。その結果、単なるリピーターを超えた「熱心なファン」の育成が可能になり、事業を安定化させる基盤構築へとつながります。
メリット4:在庫管理の効率化とフードロス削減
事前に販売数量をある程度予測できる頒布会は、在庫管理の効率化につながります。需要予測の精度が上がることで、過剰在庫による保管コストの増大や、欠品による販売機会の損失といったリスクを最小限に抑えることが可能です。
特に、食品などを扱う事業者にとっては、フードロスの削減に貢献できるため、企業のサステナビリティ活動としてブランドイメージの向上にもつながります。
メリット5:クロスセル・アップセルの機会創出
毎月商品を届けることで生まれる継続的な顧客接点は、関連商品を提案する「クロスセル」や、より上位コースへの移行を促す「アップセル」を行う絶好の機会です。
例えば、過去に販売した商品と相性の良い別の商品を提案したり、会員限定で新商品を先行販売したりと、購買データを活用したさまざまな施策を展開できます。このような取り組みによって顧客単価が向上し、事業全体の売上拡大へとつながります。
頒布会導入の注意点と4つのデメリット
頒布会を成功させるためには、魅力的なメリットだけでなく、導入前に把握しておくべきデメリットもあります。ここでは、事業者が直面しやすい4つの課題を取り上げ、それぞれの注意点について解説します。
あらかじめこれらの課題を理解して適切な対策を講じることが、失敗のリスクを最小限に抑えるために重要です。
デメリット1:商品選定と企画の継続的なコスト
頒布会の価値は「顧客を飽きさせない魅力的な商品」にあり、これを維持するには継続的な企画の努力が不可欠です。毎月、テーマに合わせて商品を選んで新たな発見を提供し続けるためには、専門スタッフの時間や人件費などのコストがかかります。
こうした企画の負担を軽減するには、生産者やサプライヤーと強固に連携した体制を築くことが有効です。また、年間を通じて大まかなテーマを事前に定めておくなど、計画的な運営が欠かせません。
デメリット2:顧客満足度を左右する解約プロセスの設計
顧客がサービスの解約を希望した際に手続きが煩雑だと、顧客満足度を大きく損なうだけでなく、企業の信頼を損ねる原因にもなり得ます。
特に、継続的な契約については特定商取引法でもルールが定められており、事業者は解約条件を明確に提示する義務があります。顧客が安心してサービスを始められるよう、解約ポリシーをサイト上に明記し、わかりやすく手続きできるよう、誠実なプロセスを設計することが重要です。
参考:
事業者向けチラシ「貴社カートシステムでの改正法への対応について」
インターネット通販の定期購入トラブルには御注意を! 令和4年6月1日から、通販の注文時に内容を確認する際の表示がより明確になります。 | 消費者庁
通信販売|特定商取引法ガイド
デメリット3:継続課金ならではの決済管理の複雑さ
頒布会では、コース料金を初回に一括で徴収する決済手段が必要となる場合があります。こうした継続課金モデルでは、クレジットカードの有効期限切れによる決済エラーといった特有の課題も発生しやすくなります。
特に、高額な一括前払いの場合は、クレジットカード会社の加盟店審査が通りにくいリスクがあるため、注意が必要です。解決策としては、口座振替など複数の決済手段を用意することが有効です。例えば、大手通販会社のフェリシモではコンビニ払いやスマートフォンのアプリ決済(コード決済)、クレジットカード決済に加えて、口座振替も採用している事例が参考になるでしょう。
デメリット4:複雑な在庫・顧客管理
頒布会は、異なる商品を定期的なサイクルで届けるため、通常のECサイトに比べて在庫や顧客の管理が大幅に複雑化します。これを手作業で行うのは効率が悪く、人為的なミス発生のリスクも高まります。
この課題を解決するには、高機能なECシステムの導入が不可欠です。例えば、当社の『イージーマイショップ』では、各機能で細かい設定が可能で、複雑な要件にも柔軟に対応できる設計になっています。
関連ページ:機能一覧|ネットショップ開業ならイージーマイショップ
頒布会に向いている商材・成功しやすいジャンル
頒布会というビジネスモデルを成功させる上で、どのような商材が適しているのかを理解しておくことは重要です。
ここでは、多くの成功事例が生まれているジャンルを取り上げ、その商材がなぜ頒布会と相性が良いのかを解説します。重要なのは、商品を売ること以上に、その商材を通じて顧客にどのような「体験価値」を提供できるか、という視点です。
事例1:食品・グルメ
食品やグルメは、頒布会と親和性の高いジャンルの一つです。その理由は、「新しい味との出会い」や「家庭では手に入らない専門店の逸品」といった、食を通じた豊かな体験を提供しやすい点にあります。
毎月、異なる産地のコーヒー豆が届くサービスや、季節のフルーツを使った限定スイーツの頒布会などがその代表例です。このようなサービスでは単に商品を届けるだけでなく、生産者の情熱にまつわるストーリーを伝えることで付加価値を高め、顧客満足度の向上につなげています。
事例2:花・植物
季節の移ろいを感じられる花や植物の頒布会も、非常に人気の高いジャンルとして知られています。顧客は「プロが選んだ旬の花が毎月届き、暮らしに彩りが生まれる」という価値を享受できるでしょう。
このジャンルでは、ライフスタイルの提案にとどまらない魅力もあります。市場で規格外となった花を活用するなど、社会課題である「フラワーロス削減」に貢献する姿勢は、顧客からの共感を呼び、ブランドへの強い支持につながるでしょう。
事例3:コスメ・日用品
「いろいろな商品を試して、自分に合うものを見つけたい」というニーズが強いコスメ分野も、頒布会と相性の良いジャンルです。複数ブランドのサンプルを詰め合わせたビューティーボックスが代表例で、顧客に「発見の楽しさ」という価値を提供します。
一方で、洗剤などの日用品においては、「買い忘れを防ぎ、注文の手間を省く」という利便性そのものを価値として提供できます。
頒布会を実現するためのECシステム構築方法
頒布会ビジネスを始めるにあたり、土台となるECサイトの構築方法は、事業の将来を左右する重要な選択です。
ここでは、ECサイトを構築する方法を大きく4つに分類し、それぞれの一般的な特徴やメリット・デメリット、費用の相場感を解説します。以下の比較表で全体像をつかみ、自社の事業規模やゴールに最適な手法を見極めるための判断材料としてご活用ください。
<構築手法別の特徴比較表>
| 構築手法 | 初期費用 | 月額費用 | カスタマイズ性 | 導入までの期間 | 専門知識 |
|---|---|---|---|---|---|
| ASPカート | 低 | 低 | 低 | 短い | 不要 |
| ECパッケージ | 高 | 中~高 | 高 | 長い | 必要 |
| クラウドEC | 中 | 中~高 | 中~高 | 中 | 一部必要 |
| フルスクラッチ | 非常に高い | 高 | 非常に高い | 非常に長い | 必須 |
ASPカート
ASPカートは、ECサイトに必要な機能がそろったサービスをレンタルする、比較的、手軽に導入できる構築方法です。『BASE(ベイス)』や『STORES(ストアーズ)』に代表される無料ASPは、初期費用がかからず、サイト制作などの技術的な専門知識がなくても始められる点が魅力といえるでしょう。
しかし、頒布会のような複雑な販売方法に標準対応しているサービスは少なく、機能が限定的な側面もあります。一方、『MakeShop』や当社の『イージーマイショップ』に代表される有料ASPは高機能ですが、サービスによって対応機能が大きく異なるため、自社の要件が実現可能か慎重に見極めることが重要です。
ECパッケージ
ECパッケージは、基本機能がパッケージ化されたソフトウエアを自社サーバーにインストールしてサイトを構築する方法です。最大のメリットは、ソースコードを改修できるため、自社の要件に合わせて独自の機能を自由に追加・カスタマイズできる点にあります。
ただし、その自由度の高さと引き換えに、導入には数百万円からという高額な費用と、最低数カ月から半年程度の長い開発期間が必要です。そのため、ある程度の事業規模を持つ事業者向けの選択肢といえます。
クラウドEC
クラウドECは、ASPの手軽さとECパッケージのカスタマイズ性を両立させた構築方法です。サービス提供者のクラウド上で常に最新のシステムを利用でき、API連携によって外部サービスとの連携や機能拡張がしやすい点が特徴として挙げられます。
ASPよりも自由度が高く、ECパッケージよりも導入コストを抑えられますが、月額費用はASPより高額になる傾向があります。どこまでカスタマイズが可能かはサービスによって大きく異なる点に注意が必要です。
フルスクラッチ
フルスクラッチは、既存のサービスに頼らず、ゼロから完全にオリジナルのECサイトを開発する方法です。デザインをはじめ機能、管理画面などすべてを理想通りに構築できる、非常に高い自由度がメリットといえるでしょう。
その反面、開発には数千万円以上の莫大な費用と1年以上の期間を要します。完成後の維持管理にも開発エンジニアなど専門チームでの運用体制が不可欠となるため、大規模事業を展開するごく一部の企業向けの選択肢です。
頒布会ビジネスの成否を分けるECシステム選定のポイント
ここからは、数ある選択肢の中から「頒布会」を成功させるために、ECシステム選びで重視すべきポイントを解説します。
頒布会に必須の5大機能と運用の重要性
頒布会の複雑な運用を手作業で行うのは、事業規模が拡大するにつれて困難になります。煩雑な業務を自動化するためには、ECシステムに少なくとも以下の5つの機能が備わっているとよいでしょう。
- コース登録機能:複数の価格帯や内容のコースを柔軟に設定できる機能。
- 自動受注機能:顧客ごとに異なるサイクルで注文を自動生成できる機能。
- 決済機能:継続課金や一括前払いに対応し、決済エラーを自動でフォローできる機能。
- 販売促進機能:クーポン発行やステップメール配信でLTV向上を支援する機能。
- 配送スケジュール管理機能:顧客がマイページで配送日を変更・スキップできる機能。
これらの機能が網羅されているかどうかが、システムを選定する際の重要な判断基準です。
必須機能を「低コスト」と「高機能」で両立させる選択
頒布会の成功には先ほど解説した5つの機能が欠かせません。しかし、これらをすべて満たす高機能なシステムは高額になりがちで、導入のハードルとなる場合があります。ここで重要になるのが、「低コスト」と「高機能」をいかに両立させるかという視点です。
その点では、当社の『イージーマイショップ』のような「ASPの手軽さ」で導入・運用できるサービスは有力な選択肢の一つとなるでしょう。5つの必須機能を高いレベルで網羅した「パッケージ級の機能」を低コストで利用できる点は大きな導入メリットです。実際のご利用事例をご覧ください。
関連ページ:定期購入・頒布会販売に強いショッピングカート|ネットショップ開業ならイージー・マイショップ
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頒布会や定期購入を始めるにあたって、具体的にどのECカートシステムを選べばよいか、費用や機能を比較検討したい方には、こちらの記事がおすすめです。主要なカートシステムを徹底比較し、自社に最適なサービスを選ぶための具体的なヒントをご紹介しています。
【5ステップ】頒布会ビジネス成功へのロードマップ
これまで頒布会ビジネスと注意点について解説しました。その知識をもとに、実際に自社で頒布会を立ち上げるための具体的な手順をご紹介します。
ロードマップに沿って進めることで、失敗のリスクを抑え、成功への道筋を描けることでしょう。
ステップ1:コンセプトとターゲットの明確化
頒布会ビジネスで最も重要なのが、すべての土台となるコンセプト設計です。「誰に、どのような価値を提供するのか」を徹底的に掘り下げ、明確に言語化することが求められます。
例えば、「忙しい30代女性向けに、週末のご褒美になるような、全国の隠れた銘菓との出会いを届ける」といったレベルまで、ターゲット(ペルソナ)と提供価値を具体的に定義します。コンセプトが明確であるほど、商品選定から集客戦略まで一貫性が生まれ、顧客に響くサービスとなるでしょう。
ステップ2:商品・サービスの企画と価格設定
ステップ1で定めたコンセプトに基づき、顧客を魅了する具体的な商品企画を進めます。単に商品を並べるだけでなく、年間を通した計画的なテーマ設定や季節感を盛り込むなど、毎月の期待感を高めるストーリー設計が求められます。
同時に、事業の継続性を担保するため、慎重な価格設定も欠かせません。商品の原価、送料、システム利用料、運用担当者の人件費といったすべてのコストを算出した上で、利益を確保できる価格を設定することが重要です。損益分岐点を正確に把握しておくことが、継続可能な事業運営の基盤といえるでしょう。
ステップ3:ECカートシステムの選定とサイト構築
これまでの内容を踏まえ、自社のコンセプトと事業規模に最適なECカートシステムを選定します。将来的な拡張性や、頒布会特有の複雑な運用に対応できる機能が備わっているかを、的確に評価することが重要です。
システム選定の際には、『イージーマイショップ』のような60日間(※)の長期無料お試し期間を最大限に活用することをおすすめします。実際に管理画面を操作して「自社で実現したいことが本当に可能かどうか」「担当者にとって無理のない操作方法か」などを検証することが、自社に適したシステムを選ぶための重要なポイントです。
※2025年10月現在
ステップ4:集客戦略の立案と実施
どんなにすばらしいECサイトを構築しても、ターゲット顧客にその存在を知られなければ価値は伝わりません。サービスの魅力を発信し、顧客を獲得するための具体的な集客戦略を立てる必要があります。
例えば、コンセプトに共感してくれそうなユーザーが集まるSNSでの発信や、専門性の高いブログ記事を通じたコンテンツマーケティングが有効な手法として挙げられます。また、「初月半額キャンペーン」といった購入ハードルを下げる施策展開など、さまざまな手法を組み合わせて効果的なプランを立案・実行することが重要です。
ステップ5:顧客とのコミュニケーションと改善
頒布会は、顧客と長期的な関係を築いていくビジネスモデルです。サービスの継続的な改善が成功のカギを握ります。毎月の商品にニュースレターを同封したり、会員限定のオンラインイベントを企画したりと、顧客とのコミュニケーションを深めていく施策が有効です。
また、定期的にアンケートを実施して顧客の声に耳を傾け、サービス内容を改善していくPDCAサイクルを回し続けることで、末永く愛されるサービスへと成長します。
頒布会で切り拓く、ECビジネスの新たな可能性
本記事では、頒布会の基本的な仕組みからメリット・デメリット、そしてビジネスを成功に導くための具体的な始め方までを網羅的に解説してきました。
頒布会は、単なる販売手法の一つにとどまりません。顧客一人一人と長期的な信頼関係を築き、EC事業を安定的に成長させるための強力なビジネスモデルです。その成功には、魅力的な企画力に加え、複雑な運用に対応できるECシステムの選定が重要であることを、改めてご理解いただけたのではないでしょうか。
高額な追加開発を行うことなく、自由度の高い運用を実現したい事業者にとって『イージーマイショップ』はおすすめの選択肢の一つです。まずは無料でお試しいただき、ショップ開設から受注管理、発送処理までの一連の業務フローを、ぜひご自身の目でじっくりとお試しください。
■60日間のお試し期間について詳しくは下記の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。







