
ECサイトを立ち上げたものの、「なかなか売上が伸びない」と感じている事業者は少なくありません。アクセス数はあるのに購入につながらない、広告費がかさんで利益が残らない、リピーターが定着しない…。こうした課題は多くのECサイトに共通しています。
本記事では、ECサイトの売上が伸び悩む主な原因と、その改善に役立つチェックポイントを整理します。ECサイト改善時のコストについても相場情報と共にまとめていますので、是非参考にしてください。
目次
ECサイトで売上が伸び悩む主な原因は?
EC市場は拡大を続けており、多くの事業者が導入を進めています。しかし、全てのECサイトが順調に売上を伸ばしているわけではありません。売上の停滞や減少に悩む業者も少なくないのです。では、なぜECサイトはうまくいかないのでしょうか。ここでは、ECサイトで売上が伸び悩む主な原因を解説します。
集客が難しい
ECサイトでの集客は年々難しくなっています。買い物客はWeb検索だけでなく、SNSや動画、レビューサイトなどさまざまなチャネルを通じて商品を探すようになりました。そのため、従来のように検索プラットフォームへ広告を出すだけでは、集客効果が思うように上がらなくなっているのです。
事業者側はSNS運用、検索対策、コンテンツ制作などを通じて、幅広く集客業務を進める必要があります。しかし、それらをすべてこなす時間や人材を確保するのは容易ではありません。さらに、中小規模のECサイトでは、集客業務を専門家でない担当者や経営者自身が行うこともあります。そのため、集客がうまくできず、売上を伸ばしていくことができないでいるのです。
技術的な壁に当たってしまう
ECサイトはサーバーやセキュリティ、決済システムなど専門的な技術に支えられています。そのため、運営を続ける中で技術的な問題が出た場合、専門家によるサポートが必要になります。すぐに専門家に頼めない場合、もしくは事業者に解決する技術がない場合は、機会損失や運営リスクにつながります。
たとえば、実店舗とネットショップで在庫を共有している場合には、システム同士を正しく連携さなければなりません。ところが、この連携がうまくいかなかったり更新が遅れたりすると、在庫のある商品なのに「売り切れ」の表示がでるといったトラブルが起こる可能性があります。これは単なる管理ミスではなく、売上機会の損失につながります。
運営コストが利益を圧迫する
「売上が伸びているのに利益が残らない」この状態は運営コストが利益を圧迫している可能性があります。
まず大きな負担となるのが物流費です。近年、燃料費や人件費の上昇に加え、2024年からはトラックドライバーの労働時間規制が始まったこともあり、輸送コストの増加は避けられない状況になっています。返品対応が増えると、その分コストはさらに膨らみます。
また、ECサイト運営には商品登録、在庫管理、顧客対応、発送準備など多くの業務が必要です。売上が伸びても、これら業務を効率化しないと新たに人を雇用しなければならなくなります。その場合は人件費がさらに高まります。
さらに、システム利用料や広告費といった固定的な支出も小さくはありません。集客を強化しようと広告を増やせば短期的な売上は上がりますが、その分利益率は下がります。
ECサイトの改善へ!チェックポイントはこの7つ
ECサイトで売上が伸び悩む原因として、「集客」「技術」「コスト」があることがわかりました。これらは多くの事業者が直面する共通の悩みであり、放置すれば売上の停滞・減少につながる恐れがあります。そのため早期に対応する必要があります。
それでは、具体的にはどのようなポイントに気をつけてECサイトを改善していけばよいのでしょうか。ここからは、ECサイトの改善でチェックすべきポイントを7つに整理して解説します。
①集客手法を把握できているか?
| 集客カテゴリ | 集客手法 | 特徴 |
|---|---|---|
| SEO(検索エンジン最適化) | Google検索対策 | 長期的に安定した流入が期待 効果が出るまで時間がかかる |
| 有料広告 | リスティング広告 ディスプレイ広告 リターゲティング広告 | 即効性が高い 費用負担は大きい |
| アフィリエイト広告 | 成果報酬型広告 | 初期リスクが低い 幅広いサイトを通じて拡散できる |
| SNS活用 | Instagram、X LINE、インフルエンサー施策 | 拡散力が高い 客との接点づくりに有効 |
| メールマーケティング | メルマガ、ステップメール | 再購入やファン化に強み コストが低い |
| コンテンツマーケティング | 自社ブログ、動画、記事配信 | 潜在層の集客に効果的 成果には中長期的な視点が必要 |
| モール出店 | 楽天、Amazon Yahoo!ショッピングへの出店 | 認知度アップが期待 手数料でコスト増 |
| 口コミ・レビュー強化 | 購入者レビュー SNSでの感想拡散 | 信頼獲得に直結 新規顧客の意思決定に影響が大きい |
| オフライン連携 | 実店舗イベント、チラシ ポップアップストア | リアルとネットをつなぎ相互送客 |
| AI活用 | 顧客体験の最適化 直接的な顧客対応 | マーケティングの個別化が可能 人件費削減の期待も |
上記の表は、ECサイトの集客手法を整理してまとめたものです。
ECサイトの集客手法は、検索エンジン最適化や広告出稿だけではありません。SNSの活用、口コミやレビューの強化、オフライン施策との連携など、多くの種類があります。その手法は年々広がりを見せており、最近ではAIを用いた手法も注目されています。
ECサイトを改善するうえで、全ての手法をカバーしていれば良いというわけではありません。重要なのは、それぞれ手法ごとの「目的」と「役割」を正しく理解し、自社EC戦略にとって最適な手法を実施することです。たとえばSEO対策は通常時から実施し、新商品や新サービスの開始時期に合わせてリスティング広告を打ちます。
また、費用対効果の違いにも注意が必要です。広告はすぐに成果が出やすい一方で、継続するには一定の予算が求められます。逆にSEOやコンテンツマーケティングは成果が出るまで時間がかかりますが、軌道に乗れば低コストで集客できます。短期と長期の施策をどうバランスよく配分するかが重要です。
さらに、環境の変化にも対応しなければなりません。近年はモバイル検索の比率が増え、多くの人が動画やSNSを利用するようになりました。加えて、Cookie規制によってリターゲティング広告の精度が下がりつつあります。そのため、口コミ・レビューが大きな集客効果をもたらすようになってきています。
自社のECサイトは、限られた手法に依存していないでしょうか。それとも幅広い方法を戦略的に組み合わせているでしょうか。まずは現状の集客チャネルを正しく掌握し、自社に最適な手法を見極めて展開することが、ECサイトの売上向上につながります。
②CVRを改善する取り組みを行っているか?
| CVR対策 | 具体的内容 |
|---|---|
| 商品ページの情報整理 | 高解像度画像・詳細説明・価格や送料の明確化 |
| 購入フローの最適化 | 入力項目削減・ゲスト購入対応で離脱防止 |
| 決済手段の多様化 | クレカ、電子マネー、後払いなど複数対応 |
| サイトの信頼性強化 | SSL・認証マーク・問い合わせ先明記 |
| レビュー活用 | 星評価や写真付き口コミで購入を後押し |
| モバイル最適化 | スマホでの表示・操作性を改善 |
まずはCVRの意味を整理しておきましょう。
CVRはConversion Rate(コンバージョン率)の略で、「サイトを訪れた人のうち、実際に購入や申し込みといった成果につながった人の割合」を表します。たとえば100人が商品ページを見て、そのうち3人が購入した場合、CVRは3%ということになります。
このCVRが高ければ高いほど、来てくれたユーザーをしっかりと購入につなげられているということになります。逆にアクセス数が多くてもCVRが低ければ、売上は伸びません。つまり、アクセス数(集客)と同じくらい、あるいはそれ以上に重要な指標なのです。
CVRは単なる数字ではなく、ユーザー体験の質を映す鏡でもあります。商品情報の見やすさ、購入フローの分かりやすさ、モバイルデバイスへの対応といった要素がCVR向上に直結しているのです。
③カゴ落ちを防ぐ工夫をしているか?
| カゴ落ち対策 | 具体的内容 |
|---|---|
| フォーム入力の簡略化 | 入力項目を減らし、自動補完やゲスト購入を導入 |
| 配送料・手数料の明示 | 最終確認前に費用が変わらないよう透明化 |
| 決済方法の多様化 | クレカ・電子マネー・後払いなど選択肢を広げる |
| サイト速度・安定性 | ローディング遅延やエラーを防止 |
| リマインドメール | カゴに残った商品を通知し、購入を後押し |
| 信頼性のアピール | セキュリティマークや口コミ表示で不安を解消 |
ユーザーが商品を「欲しい」と思いカートに入れながら、購入完了に至らず離脱してしまうことをカゴ落ちといいます。

カゴ落ちの理由で代表的なものとして、「購入フォームの入力が面倒」「料金体系が不明確」「普段使っている決済方法が使えない」「サイトがつながりにくい」「セキュリティ面に不安を感じる」などが挙げられます。ユーザーに余計なストレスや不安を与えてしまうと、購入意欲を下げてしまうのです。
そのため、入力のしやすさや料金体系の明確化といったUX改善に加え、リマインドメールやレビュー表示など購入を後押しする仕組みを取り入れることが重要です。小さな改善でも積み重ねることで、売上のロスを大幅に防ぐことができます。
④客単価アップの仕組みを用意しているか?
| 客単価アップ対策 | 具体的内容 |
|---|---|
| クロスセル | 関連商品を同時購入へ促す 例:カメラ+SDカード |
| アップセル | 上位モデルや高機能版を提案 例:ベーシック→プレミアム |
| セット販売 | 複数商品をまとめて割安で提供 |
| 定期購入・サブスク | 継続的な購入を仕組み化 |
| 会員ランク制度 | 購入額に応じて特典や割引を提供 |
| 送料無料ライン設定 | 一定金額以上の購入で送料無料に |
ECサイトの売上は「アクセス数×CVR×客単価」で決まります。アクセスやCVRがすぐに伸ばせなくても、客単価を高める仕組みを導入することで売上を効率的に伸ばすことができます。
代表的なのが「クロスセル」や「アップセル」です。すでに購入を検討しているユーザーに関連商品や上位モデルを提案することで、自然に客単価を引き上げられます。また、複数の商品をまとめて販売する「セット販売」や、定期購入・サブスクリプションの仕組みも有効です。
さらに「送料無料ライン」の設定や「会員ランク制度」など、購入額が増えるほどお得になるようにすれば、ユーザーにとっての購入の動機付けが強まり、リピートにもつながります。
客単価アップは、一度の購入から得られる利益を増やすだけでなく、顧客の満足度や継続利用を高める効果も期待できます。
⑤リピーターを増やす取り組みをしているか?
| リピーター増加対策 | 具体的内容 |
|---|---|
| メールマーケティング | 購入後フォローやキャンペーン案内で再訪を促す |
| 会員制度・ポイント付与 | 購入ごとに特典を付け、継続利用を動機づけ |
| 定期購入・サブスク | 必要な商品を自動的に届け、習慣化を狙う |
| SNS・LINE連携 | 新商品やクーポン情報をタイムリーに発信 |
| アフターサポート | 問い合わせ対応や保証制度で信頼関係を構築 |
| 顧客レビュー・UGC活用 | 利用者の声を共有し、共感を広げる |
ECサイトの売上を持続させるには「新規顧客を増やすこと」と同じくらい「既存顧客をいかに繰り返し購入してもらうか」が重要になります。リピーターは一度購入経験があるため、ECサイトへのアクセスや購買行動が取りやすい状態にあります。ちょっとしたキャンペーンやお得情報で、商品を購入してもらえる可能性が高いのです。
リピーターになってもらうためには、メールマーケティングやLINE配信を使った再訪促進、会員制度やポイント付与による継続利用の仕組みを活用すると良いでしょう。また、消耗品や定期的に必要となる商品には「定期購入・サブスクモデル」といった決済方法を準備しておくことも大切です。
さらに、購入後のフォローや保証制度といったアフターサポートは、顧客ロイヤルティ向上につながります。「またここで買いたい」という気持ちを育てることがポイントです。SNSでのつながり拡大や、顧客レビューやUGC(ユーザー生成コンテンツ)活用など、コミュニティ構築もリピーター育成に効果的です。
リピーターは単に売上を安定させるだけでなく、ECサイトの長期的な成長の土台となります。
⑥サイトの信頼性は十分か?
| 信頼性向上の対策 | 具体的内容 |
|---|---|
| SSL対応・セキュリティ証明 | 通信の暗号化・認証マークの表示で安心感を提供 |
| 会社情報・問い合わせ先の明記 | 運営者が見えることで信頼度が向上 |
| レビューや評価の表示 | 第三者の声を提示し購入判断を後押し |
| サイトデザインの統一感 | 見やすく整理されたデザインでプロ感を演出 |
| 決済の安全性 | 信頼できる決済サービスの導入 |
| プライバシーポリシーや規約 | 個人情報の取り扱いを明確化し安心を提供 |
商品や価格が魅力的でも、運営者情報が不明瞭だったり、セキュリティ対策が不十分に見えたりすると購入を避けられてしまいます。
ECサイトの信頼性を高めるためには、まずSSL対応やセキュリティ認証マーク(ISMS認証マークなど)を取得・表示し、通信の安全性をわかりやすく伝えることが重要です。また、会社情報や問い合わせ先を明記し、ユーザーが安心して連絡できるシステムを整えることも欠かせません。
さらに、レビューや評価といった第三者の声は、運営者側の説明よりも強い説得力を持ちます。サイトデザインや表記の統一感も「きちんと運営されている印象」を与える大切な要素です。
信頼できる決済サービスの導入や、プライバシーポリシーの明確化も進める必要があります。こうした積み重ねがユーザーの信頼を獲得し、結果として売上にもつながります。
⑦改善を継続できる体制があるか?
| 改善継続の対策 | 具体的内容 |
|---|---|
| アクセス解析の活用 | Google Analyticsなどで数値を定期チェック |
| KPI設定 | 売上・CVR・リピート率など具体的な指標を決める |
| 改善のPDCAサイクル | 計画→実行→検証→改善を繰り返す |
| ツール導入 | MA(マーケティングオートメーション) ヒートマップの活用 |
| 社内の情報共有 | 分析結果や改善施策をチームで共有し属人化を防ぐ |
| 外部リソースの活用 | 必要に応じて外部パートナーや専門家に相談 |
ECサイト運営は「作って終わり」ではなく、常に改善を続けていく必要があります。法制度、検索プラットフォームやSNSの仕様、ユーザーの行動は変化していくため、これまでの施策を最適化していかなければなりません。企業戦略の変化によるECサイトのカスタマイズといった所要も出てくるケースもあるでしょう。現状を定期的に評価するためには、アクセス解析ツールの活用の他、売上やCVR、リピート率といったKPIを設定してモニタリングすることも大切です。
改善は一度きりの対応では効果が薄く、PDCAサイクルをしっかりと回し続けることが重要です。ユーザー行動を可視化するヒートマップや、メール配信を自動化するMAツールの導入も改善業務をサポートしてくれます。
また、分析や改善の手法や結果は社内やチームで共有することも大切です。改善業務の属人化を避け、誰が見ても状況が分かるようにすることで、スタッフが入れ替わった際でもECサイト改善が継続できます。
改善を継続できる体制を整えることは、短期的な売上アップだけでなく、長期的な成長と競争力の強化につながります。
以上、ここまで見てきた7つのチェックポイントを押さえることで、ECサイトの改善は着実に進んでいきます。しかし、どの施策にも時間や労力、そして費用が伴います。
これらの負担は売上を伸ばすための投資である一方で、過度な支出は利益を圧迫する原因にもなりかねません。次章では、改善業務に潜むコストについて掘り下げて解説していきます。
ECサイト改善には大きなコストも
ECサイトの改善は売上アップにつながりますが、当然コストも発生します。ここでは、ECサイト改善における代表的なコストについて整理していきます。
サイトカスタマイズの業務コスト
ECサイトを改善するうえで、商品ページの見直し、デザイン修正、機能の追加設定など、小さな作業の積み重ねが大きな負担になっていきます。
【業務コストを圧縮するためのポイント】
- 既存のテンプレートやプラグインを活用する
- MAツールの導入
- ECショップのタイプを切り替える
業務コストを圧縮するうえで、テンプレート活用やマーケティングの自動化はとても効果的です。また、長期的な視点で考えると、ECショップのタイプを変更するという戦略も有効です。例えば、ASP型サイトであれば簡単な操作でサイトをカスタマイズできるため、業務コストを抑えられます。ECサイトのタイプについては、「ECサイトのタイプ別でみる改善プロセス」で解説していますので、その違いとカスタマイズの特徴について押さえておきましょう。
カスタマイズは売上拡大のための投資です。しかし、やみくもに手をつけると費用だけが膨らみます。「どの改善が売上に直結するのか」を優先順位づけすることが、業務負担を最小化するカギです。
外部への発注コスト
ECサイト運営では、社内で解決できない領域が必ず出てきます。たとえば大幅なデザインリニューアル、SEOコンテンツ制作、システム開発や外部サービスとの連携などは、専門知識や経験が必要なため、外注は現実的な選択肢になります。
【外注費用の一例】
- デザイン改修(トップページや商品ページ):10万~30万円程度
- SEO記事のライティング:1記事あたり1~3万円程度
- 独自システム開発や機能追加:数十万円~100万円超
費用を抑える工夫としては、要件定義を明確にして修正回数を減らす、作業をまとめて依頼する、複数社から見積もりを取るといった方法が挙げられます。外部委託は避けられない場合もありますが、工夫次第で無駄を最小限にできます。
広告・集客コスト
新規顧客を獲得するために広告出稿は有効な手段です。しかし、その分コストも大きくなります。特にリスティング広告やSNS広告のクリック単価は年々上昇傾向にあります。
【広告費用の一例】
- リスティング広告(Google広告など):1クリック数十円~数百円
- SNS広告(Instagram・Xなど):1クリック100円前後
- ディスプレイ広告や動画広告:1再生数円~数十円
広告は短期的に売上を伸ばすのには効果的です。しかし、広告依存が強すぎるとECの利益率を圧迫します。そのため、広告はあくまで一時的な集客の起爆剤と位置づけ、SEO対策やコンテンツ発信、SNS運用といった資産型の集客手段と併用することが重要です。
カスタマイズや外注に関する情報は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【構築方法別】ECサイトの構築費用の相場と安く抑える方法
それでもECサイト改善のメリットは大きい
ここまで見てきたように、ECサイトの改善には業務負担や外注費、広告費といったコストが発生します。特に中小事業者にとっては、決して小さくない負担です。
しかし、それでもECサイトを改善するメリットはとても大きいといえます。ただ単に売上アップが期待できるだけでなく、顧客データの収集、インターネット領域における事業プレゼンス強化が狙えるからです。
1.売上拡大のチャンスが広がる
SEOやSNS広告といった集客施策を実施すると、これまでカバーできていなかった地域や客層からも注文が入るようになります。さらに、スマホ対応や購入フローの改善を行うことで、売上拡大のチャンスが一層広がります。
2.購買客層への理解が進む
商品ページの導線整理や購入フローの最適化を通じて、顧客がどの段階で迷うのか、または離脱するのかが把握できるようになります。「このページで離脱が多い」「この商品は注目を集めやすい」といった傾向をより明確に読み取れるようになるのです。
3.ブランド力・信頼性の向上
セキュリティ対策や決済手段を充実させると、利用者は「このサイトなら安心して購入できる」と感じやすくなります。安心感はそのまま信頼性の評価につながり、ブランド全体の価値を高めることになります。
自社サイトの運営や集客の改善に関する情報は、こちらの記事も参考にしてみてください。
自社ECサイトとは?メリット・デメリットと運営までの手順を解説
ECサイトのタイプ別でみる改善プロセス
| ECサイトタイプ | カスタマイズ時の特徴 |
|---|---|
| モール出店型 | カスタマイズは容易 デザインや機能面の自由度は低い |
| ASP型 | 管理画面で多くの設定変更が可能 中小事業者でも扱いやすい |
| オープンソース型 | 自由度は非常に高い 改善にはプログラミングや保守の専門スキルが必須 |
| パッケージ型 | 大規模対応が可能 改善には外部ベンダーとの調整が必要 |
| 簡易型・SNS連携型 | 導入・改善ともに操作は容易 自由度が低く差別化が難しい |
ECサイトの改善は売上向上だけでなく、顧客体験の向上やブランド価値の強化も期待できます。一方で、カスタマイズの範囲はECサイトのタイプごとに異なります。上記表はECサイトをタイプ別に分類し、カスタマイズの特徴をまとめたものです。
もし、現在使用しているECサイトで求めているカスタマイズが十分にできない場合、別のタイプに乗り換えるという選択肢も有効な戦略といえます。
モール出店型
モール出店型は、Amazonや楽天の中に出店するタイプのECサイトです。モール自体に大きな集客力があるため、自力でアクセスを集めなくても一定の流入が期待できます。
ただしサイトのカスタマイズは限定的で、商品タイトルや説明文を整えるモール内SEO、レビュー対応、モール広告の運用改善といった運用面が中心になります。サイトデザインや機能拡充を追求する場合は、物足りなさを感じるかもしれません。
ASP型
ASP(Application Service Provider)型は、サービス事業者が提供する仕組みを借りて運営するタイプのECサイトです。イージーマイショップやMakeshopが代表的なASPとして挙げられます。
初期費用や運用コストが低く抑えられ、専門知識がなくても管理画面から機能設定やデザイン編集が可能です。テンプレート編集でのデザイン最適化、購入フローの調整など柔軟なカスタマイズができます。
オープンソース型
オープンソース型は、ソースコードが公開され、自由に改修できるタイプのECサイトです。デザインも機能もフルカスタマイズ可能ですが、サーバー運用やプログラミングの知識が必須となります。
改善の際は、セキュリティ対策を徹底しながら、必要な機能を追加したりUIを改修したりします。カスタマイズをスムーズに進めるためには、外部の専門家との協力体制を整えることも重要です。
パッケージ型
パッケージ型は、有料で導入するカスタマイズ前提のECサイトです。導入企業ごとに最適化されます。大規模なECに対応でき、拡張性の高さも大きな特長です。
改善の際は、基幹システムや在庫管理との連携を見直すなど、システム面での調整が中心になります。ただし自社で自由にカスタマイズすることは難しく、改善はベンダーとの調整が必要です。
簡易型・SNS連携型
簡易型は、BASEやSTORESのように低コスト・短期間で始められるタイプのECサイトです。
操作も容易で、専門スキルは不要という大きなメリットがあります。一方で、カスタマイズは、テンプレートの活用やSNS導線の強化といった限定的なものになります。
まとめ
ここまで、ECサイトで売上を伸ばすためのチェックポイントと改善の方向性を見てきました。集客手法の最適化、CVRの改善、カゴ落ち対策、客単価アップ、リピーター施策、サイト信頼性の強化、継続的な改善体制、これらは売上アップを目指すEC事業者にとって重要な取り組みです。
一方で、カスタマイズの優先順位は事業者ごとに異なります。また、必要な機能が現在のECサイトのタイプでは実現できない場合もあります。その際は、思い切ってECサイトのタイプを変更することも有効です。
イージーマイショップは、オーダーメイド対応や定期購入、会員機能など、幅広いカスタマイズに対応できます。さらに、導入や運用コストが低く抑えられる点も大きな魅力です。
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