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ECマーケティングの4つの主要戦略とありがちな失敗

サムネイル画像: ECマーケティングの4つの主要戦略とありがちな失敗

ECのマーケティング業務は、サイト改善・広告・SNS・リピート施策・ブランド構築など、幅広い領域をカバーする必要があります。施策ごとの役割が整理できていないと、「何から手を付ければいいのかわからない」と混乱してしまいがちです。

本記事では、ECマーケティングを4つの戦略に分け、それぞれで注力すべきポイントをわかりやすく整理していきます。

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ECマーケティング①:集客戦略

右肩上がりのグラフが印刷されたノートと、ペン・スマートフォンが並んでいる画像

引用元:https://www.photo-ac.com/main/detail/26659998

ECサイトを成長させるうえで、最初に考えるべきは「どの層のユーザーを、どんな手段で呼び込むか」という設計です。ユーザーの購買意欲によって適切なアプローチは大きく変わります。

① 顕在層の獲得

すでに欲しい商品がはっきりしているユーザーは、もっとも購入(CV)に近い存在です。 この層に向けた主な集客手段は、意図の強い検索キーワードを狙うSEOや検索広告です。商標名やカテゴリ名で検索するユーザーは購入前提で情報を探しているため、CVRが高く、売上に直結しやすい特徴があります。

ただし、顕在層は競合も多く、広告の入札単価が高くなりやすい領域でもあります。費用対効果を高めるためには、キーワードごとのCVRやCPAを把握し、ムダな出稿を抑えるコントロールが欠かせません。

また、モール集客も顕在層獲得の有効な手段です。訪問者の購買意欲が高く、CVにつながりやすいためです。ただし手数料が発生するため、自社サイトと比較すると利益率が下がりやすい点は意識しておく必要があります。

② 準顕在層の獲得と育成

「どの商品がいいか知りたい」「比較したい」と考えているユーザーが準顕在層です。この層を取り込むには、悩みや比較に関するオウンドメディア記事HowToコンテンツが効果的です。ユーザーが抱える疑問に丁寧に答えることで理解が深まり、商品候補として意識してもらいやすくなります。

SNS広告も、興味や関心がある層を拾いやすいため相性がよい施策です。

商品の魅力や価値を伝えることで信頼が積み上がり、将来的なLTV向上にもつながります。ただし、記事やLPから商品ページへの導線が弱いと離脱を招くため、閲覧後の動線設計が重要です。

③ 潜在層を認知から引き上げる

そもそも商品やブランドを知らない層、あるいは必要性に気づいていない層に対しては、継続的な認知施策が必要です。SNS投稿、動画コンテンツ、インフルエンサー活用などが代表的なアプローチになります。

こうした取り組みでは、短期的に成果を求めるよりも、定期的に接触機会をつくることが大切です。世界観や価値観を伝え続けることでブランドへの好感度の蓄積につながります。接触頻度が増えるほど指名検索が増え、中長期的に利益貢献度が高いユーザーが増えていきます。

バズを狙うよりも、継続的な露出で存在を認識してもらうことがポイントです。

④ 離脱ユーザーを再訪問<

集客後に離脱してしまったユーザーを再び呼び戻す施策も、売上の底上げには欠かせません。カート落ちや閲覧離脱者へのアプローチとしては、リターゲティング広告LINEメールによるフォローが中心になります。

とくに、購入を迷って離れたユーザーは再訪時のCV率が高く、費用対効果の高いセグメントです。配信タイミングやオファーの内容によって成果が大きく変わるため、ABテストを重ねて最適なパターンを見つけることが重要です。

ECマーケティング②:WEB上接客戦略(ユーザー体験向上)

「DigitalMarketing」と表示されたパソコンの横に、スマホやメールなどのアイコンが並んでいる画像

引用元:https://www.photo-ac.com/main/detail/4386401?title=%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%92

ユーザーにとって商品の魅力を理解しやすく、迷わず購入まで進めるサイト設計はEC運営において重要なポイントです。

ここでは、ECサイト上でのユーザー体験をどのように設計すべきか解説します。

商品理解最大化

オンラインでは実際の商品を手に取れないぶん、商品をリアルにイメージできる工夫が欠かせません。

複数の写真や動画を使い、具体的な使用シーンや着用イメージなどの情報を伝えると、ユーザーは自分事として魅力を感じやすくなります。また、商品ストーリーやブランドとして大事にしている価値観を伝えることも効果的です。

レビューやUGCも、購入前の重要な情報源です。実際の利用者の声は説得力があり、商品への信頼を積み上げるのに役立ちます。

より説得力高く見込み顧客に訴求するためには、ターゲット本人に使ってもらい、その感想を反映した紹介ができると理想的です。

不安解消

ECでは、不安感が購買のハードルになりがちです。配送・返品・支払い方法といった基本情報は、迷わず確認できる位置に整理しておくことが重要です。

とくにアパレルや生活用品では、サイズ診断やフィット予測などのサポートが大きな助けになります。素材やスペックなどの情報も、ただ羅列するのではなく、ユーザーが気になる順に理解できる構成にすると購入の不安を減らせます。

FAQの整備や見える化も、問い合わせ前に疑問を解消するための有効な手段です。加えて、チャットボットや有人対応のチャットがあれば、購入直前の迷いを取り除きやすくなります。

行動促進

ユーザーが商品を気に入っても、購入行動が起きなければCVにはつながりません。カートボタンが目立たないだけで購入率が大きく下がることもあります。主要導線はファーストビュー付近に配置し、画面下部で追従するボタンを設けるなど、行動しやすい環境を整えることが重要です。

ポイントやクーポンの表示方法もCVに影響します。どの場面で表示されればユーザーが動きやすいのか、適切な見せ方になっているかがポイントです。たとえば、初回限定クーポンや送料無料などの特典がある場合は、ページ上部などの見つけやすい位置に配置すると行動を後押ししやすくなります。

「残りわずか」「人気商品」などの購買を後押しする文言や、関連商品やセット商品のレコメンドも、「これも買った方がいいかも」と自然に意思決定を促せるため効果的です。

離脱防止・再訪(継続接客)

一度サイトを離れたユーザーを再訪につなげる施策も重要です。カート落ちに対するメールやプッシュ通知は、購入意欲の高いユーザーに効きやすい施策です。その際、カート内の商品だけでなく、閲覧履歴や「最近見た商品」のデータを保持しておくと、再訪時の購入検討がスムーズになります。

また、再入荷通知やお気に入り通知の配信も、購入機会を逃さないために有効です。価格変更や限定クーポンの配布も、購入を迷っているユーザーの背中を押す手段になります。LINEやメルマガによる継続フォローと組み合わせれば、長期的な関係構築にもつながります。

ECマーケティング③:リピート(CRM)戦略

パソコンを操作している人の手元の画像

引用元:https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/person-using-a-laptop-4Hg8LH9Hoxc

新規顧客の獲得コストが上昇し続ける今、ECの安定成長には既存顧客との関係づくりが欠かせません。顧客の満足度が高まれば、自然と再訪・再購入につながり、広告依存を抑えた持続的な売上構造が作れます。

ここでは、購入後のリピート施策をどのように設計すべきか解説します。

アフターフォロー(購入直後)

商品を注文した直後は、ユーザーの期待値がもっとも高まるタイミングです。同時に不安も生じやすいため、受注・発送連絡を丁寧に行い、現在の状況がわかる安心感を届けることが大切です。

そのうえで、使い方や活用アイデアを提案できると、ユーザーの満足度が一段と高まります。商品開封時の体験も重要で、ブランドらしさを感じられる梱包は「買ってよかった」という好印象につながります。

困った時にすぐ相談できるサポート導線も、購入直後の不安を和らげるうえで効果的です。

レビュー&UGCの活用

レビューは、購入を迷うユーザーにとって大きな判断材料になります。投稿を依頼するタイミングは、実際に使いはじめて感想がまとまる頃が最適。写真投稿などに特典を用意すると投稿率も上がりやすくなります。

集まったレビューは商品ページに並べるだけでなく、よい内容は商品画像の一部に組み込んだり、メルマガやSNSで紹介したりすることで、さらなる信頼につながります。

レビューで指摘された改善点は、商品開発や説明文の見直しに活かすことで、ブランド全体の品質向上にもつながります。

パーソナライズ提案

閲覧履歴や購入履歴をもとにしたパーソナライズは、自然な形でリピートを促す有効な手段です。関連商品や使用後に必要になりやすいアイテムの提案は、ユーザーにとっても役立つ情報になります。

再入荷通知は、欲しいと思っていたタイミングに確実に届けることで機会損失を防げます。誕生日、季節、ギフトシーンなど、利用状況に合わせた提案を加えると、特別感のあるコミュニケーションが生まれます。

LINE・メールの顧客育成

LINEやメールは、顧客と継続的につながるための重要なチャネルです。新商品やキャンペーン配信に加えて、購入履歴や属性に応じたセグメント配信を行えば、ユーザーにとって価値のある情報を届けやすくなります。

ステップメールを活用してブランドストーリーを訴求したり、接触回数を増やすことも効果的です。前述の関連商品の提案やレビュー依頼なども、ステップメールの中に織り交ぜれば自然に訴求できます。

また、カート落ちや休眠顧客へのフォローも、取りこぼしを防ぐための重要な施策です。配信頻度や内容は、開封率・クリック率を見ながら継続的に最適化していく必要があります。

会員制度&ロイヤリティプログラム

長期的に利用してくれる顧客を増やすには、会員制度ロイヤリティプログラムが有効です。ランク制度や特別クーポン、限定販売、先行予約といった優遇施策は、「ここで買い続けたい」と思える動機につながります。

ポイント付与も再購入を促す仕組みのひとつです。また、ランク制度にはブランドの世界観と矛盾しない理由付けがあると、ユーザーの納得感が高まりやすくなります。ポイントやランクにはゲーム性を取り入れて楽しめる仕組みにすると、自然とサイトに訪れる回数が増え、ロイヤリティ向上につながります。

ECマーケティング④:ブランド戦略

「Marketing Strategy」と書かれた布の周りに、参考書や筆記用具が置かれている画像

引用元: https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%81%AE%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%8C%E8%A8%98%E8%BC%89%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%99%BD%E3%81%84%E5%8D%B0%E5%88%B7%E7%94%A8%E7%B4%99-yktK2qaiVHI

競合が増え、ユーザーが複数の商品を簡単に比較できる現代では、単に商品を売るだけでは差別化が難しくなっています。長く選ばれるブランドになるためには「どんな価値を届ける存在なのか」を明確にし、あらゆる接点で一貫して伝えていくことが欠かせません。

ここでは、ブランドの基盤づくりから世界観の統一、伝え方のポイントまでを整理します。

ブランドの存在意義・方針

ブランドの中心となるのは、「なぜこのお店をやっているのか」という思いを言葉にすることです。どんな価値観を持ち、誰にどのような価値を提供したいかが言語化されていると、施策の判断軸がぶれなくなります。

そのうえで、ユーザーに何を約束するお店なのかを明確にします。品質、体験、対応、世界観など、提供価値がはっきりしているほど、ユーザーの受け取る印象も揃いやすくなります。また、「他とどこが違うのか」をはっきりさせることで、市場の中での立ち位置が明確になります。

ブランドを人に例えると、どんな性格なのかを考えることも有効です。誠実、快活、上品、遊び心があるなど、性格が決まると、言葉遣いやデザイン、施策の方向性に一貫性が生まれます。ここで決めたブランドの核は、あらゆる判断の中心になる大切な基盤です。

ブランドの世界観・見た目の統一

ブランドの印象は、色使いやロゴ、写真の雰囲気といった視覚要素から強く影響を受けます。これらが統一されていると、ユーザーは一目で「あのお店だ」と認識できるようになります。Webサイト、梱包、SNS投稿など、あらゆる接点で世界観が揃っていると、一貫したブランド体験が生まれます。

写真の撮影スタイルや背景の選び方、フォントの統一など、細かな演出もブランドらしさを伝えるポイントです。印象が揃っているデザインは記憶に残りやすく、再訪のきっかけにもつながります。

伝え方の工夫

ブランドの価値は、繰り返し伝え続けることでユーザーに浸透します。SNSやブログでは、お店の思いやこだわりを定期的に発信し、ブランドの背景を理解してもらう機会をつくることが大切です。

発信するメッセージは一貫性が重要です。宣伝や文章の表現が毎回違うと、ユーザーの中のブランドイメージが曖昧になってしまいます。言い回しやトーンを統一し、少しずつ積み重ねていくことで、自然とファンが増え、共感されるブランドへと育っていきます。

ECマーケティングにありがちな失敗

パソコンの前で頭を悩ませている人の画像

引用元: https://www.photo-ac.com/main/detail/28153417&title=%E8%8B%A6%E6%82%A9%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3%28%E3%81%9D%E3%81%AE%EF%BC%95%EF%BC%97%29

実務では「施策を頑張っているのに成果が出ない」という状況も珍しくありません。

多くのECがつまずきやすいポイントに注意しましょう。

短期売上に振りすぎる(広告依存)

短期成果を求めるほど、新規集客を広告に頼りがちです。しかし、広告費を増やしても利益が比例して伸びるわけではありません。CPAが高い領域ばかりに依存すると、売上が増えているように見えても利益率は下がっていきます。

広告に頼り続けると、広告を止めた途端に売上が急落するリスクも生まれます。安定した成長のためには、SEOやブランド構築、リピート施策など、複数の軸を育てておくことが重要です。

商品力に依存しすぎ(マーケをサボる)

「よい商品なら自然と売れるはず」という考えは、ECでは通用しにくいです。ユーザーは商品そのものだけでなく、説明のわかりやすさ、写真の質、ブランドの雰囲気など、複数の要素を総合して判断します。

売れない理由を商品のせいにしてしまうと、本来改善できるはずの説明や訴求、体験設計が後回しになります。商品の価値をきちんと伝える情報設計を整えない限り、どれほど優れた商品でも選ばれにくい点に注意しましょう。

顧客との関係づくりを軽視(リピート軽視)

新規獲得にばかり注力し、既存顧客へのフォローが薄くなるケースもよく見られます。ファン化につながる施策がなく、CRMが一斉配信のメールだけに偏っていると、関係性は深まりません。その結果LTVが伸びず、広告投資が回収しにくい状態が続いてしまいます。

既存顧客との接点を充実させることこそ、広告依存から離れ、安定した売上をつくる一歩になります。

課題特定ができていない(分析不足)

成果が出ない理由として多いのが、「どこが課題なのかわからない」という状態です。集客、商品ページ、カート、購入、リピートのどこで離脱が起きているのか不明確だと、改善の優先順位が立てられません。

思いつきで施策を重ねても成果は出にくく、改善施策が迷走しがちです。まず数字を可視化して課題の場所を特定したうえで施策を打つことが、最短で成果につながる動き方です。

ブランド体験が一貫していない

商品の魅力があっても、ブランド体験がバラバラだとユーザーの記憶に残りません。ページごとに世界観が異なったり、発信するメッセージのトーンが揃っていなかったりすると、どんなお店なのかが伝わりにくくなります。

ブランドを覚えてもらうには、一貫性が鍵になります。ビジュアルやトーンの雰囲気が揃っているほど、ユーザーの中にブランドの印象が残りやすくなります。記憶に残る要素をつくることで、競合の多いEC市場でも選ばれやすくなります。


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