思いどおりの、ネットショップを。|イージーマイショップ

トップ コラム すべて ロイヤルティプログラムとは?7つの代表例を仕組み・メリット・成功事例と共に解説

ロイヤルティプログラムとは?7つの代表例を仕組み・メリット・成功事例と共に解説

サムネイル画像:ロイヤルティプログラムとは?7つの代表例を仕組み・メリット・成功事例と共に解説

「リピーターがなかなか増えない」「一度購入したきりリピート購入されない」そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

新規顧客の獲得コストが上昇する中、いかに顧客をファン化して継続的に購入してもらうかがビジネスの成長を左右します。そこで注目されているのが「ロイヤルティプログラム」です。

この仕組みを導入することで、

  • 顧客ロイヤルティの向上(ファン化・離脱防止)
  • LTV(顧客生涯価値)の最大化
  • 顧客データの活用によるマーケティング最適化

といった効果が期待できます。

本記事では、ロイヤルティプログラムとは何か、7つの代表例の仕組み・メリット・成功企業の事例まで分かりやすく解説します。

ロイヤルティプログラムとはなにか?

握手をしている人たちの画像

 引用元:https://pixabay.com/photos/hand-shake-business-professional-440959/

ロイヤルティプログラムとは、顧客のブランドへの愛着や信頼を高め、長期的な関係を築くための仕組みです。商品やサービスを継続的に利用する優良顧客に対し、ポイント付与・優遇特典・限定サービスなどを提供することで再購入を促進します。

ロイヤルティプログラムは単なる販売促進の施策にとどまらず、LTV(顧客生涯価値)を最大化するマーケティング手法として注目を集めています。LTVとは、顧客が取引開始から終了までに企業にもたらす利益の合計のことです。

「1:5の法則」と呼ばれるように、新規顧客を獲得するコストは既存顧客を維持するコストの5倍かかるといわれています。そのため、既存顧客との関係維持に積極的に投資する企業が増えています。

ロイヤルティプログラムの目的

企業のロイヤルティプログラムの導入には、おもに以下の目的があります。

  • 顧客との関係維持・再購入率の向上:リピーターを増やすことで安定した売上を確保
  • LTVの最大化:一度の購入ではなく、顧客の長期的な売上貢献を重視
  • ブランドへの愛着の強化:「このブランドを利用し続けたい」という、顧客との感情的なつながりの創出
  • 顧客データの取得・分析:購買履歴や嗜好情報を蓄積し、商品開発やマーケティングに活用

ロイヤルティプログラムは、顧客と企業のつながりの深さを示すエンゲージメントを高めます。エンゲージメントの向上は企業に対する関心を生むため、口コミによる新規顧客の獲得、集客コストの削減にもつながります。

ロイヤルティプログラム例1:ポイント制

スマホの画面から、カートやショッピングバッグなどのアイコンが飛び出してきている画像

引用元:https://pixabay.com/illustrations/ecommerce-online-shopping-3082813/

基本概要

ポイント制は、最も一般的なロイヤルティプログラムです。顧客の購入金額や利用行動に応じて、次回以降に利用可能なポイントを付与します。ポイント制のロイヤルティプログラムは、小売・EC・飲食・宿泊・美容・金融・サービス業など、消費者と直接接点をもつ幅広い業界で採用されています。

顧客はポイント獲得によるお得感が得られ、企業側は再購入を促せるというWin-Winの関係を構築できる点が特徴です。

仕組み

ポイント制のロイヤルティプログラムでは「100円につき1ポイント」など、購入金額に応じてポイントを付与します。貯まったポイントは、割引・商品交換・他サービスなどで利用可能です。

ポイントの有効期限を設け、顧客の再購入や来店を促す仕組みを導入する企業も多いです。

企業側のメリット

ポイント制のロイヤルティプログラムを導入することで、企業は顧客のリピート購入率を高め、離脱を防げることが大きなメリットです。ポイント還元率アップやポイント付与のキャンペーンの実施で、競合と価格以外からの差別化を図りやすいです。

また、ポイント獲得をフックに会員登録を促進することで、より詳しい購買データが集められるようになり、CRM(顧客関係管理)やマーケティングの強化に活用できます。

顧客側のメリット

顧客側のポイント制のロイヤルティプログラムのメリットは、実質的な割引とお得感です。また、ポイントを貯める楽しさや達成感も味わえます。他サービスと横断して使用できるような共通ポイントの場合は、他のサービスでも利用できる利便性の高さも魅力です。

代表的な成功事例

以下が、ポイント制のロイヤルティプログラムの代表的な成功事例です。

  • 楽天ポイント:楽天市場・楽天カード・楽天モバイルなど、楽天経済圏全体で利用可能
  • Vポイント(Tポイント):コンビニ・薬局・ガソリンスタンド・スーパー・金融など、多業種で利用できる共通ポイント
  • セブンマイルプログラム:日常利用の多いセブン&アイグループで高い利用率を実現

ロイヤルティプログラム例2:ランク・ティア制(会員ランク制度)

クレジットカードを持ちながらパソコンで購入作業をしようとしている人の画像

引用元:https://pixabay.com/photos/online-shopping-credit-card-online-4516043/

基本概要

ランク・ティア制とは、利用金額や購入頻度などに応じて会員ランクを分け、上位ランクほど優遇を受けられるロイヤルティプログラムです。ランク・ティア制のロイヤルティプログラムは、「もっと上のランクを目指したい」「今のランクを維持したい」という顧客の競争心理や達成意欲を刺激します。

とくに航空会社やクレジットカード会社など、顧客がステータスを意識する業界でランク・ティア制のロイヤルティプログラムは広く普及しています。近年ではECサイトでも導入が進み、ランクに応じてポイント還元率やクーポンの割引率を変動させるといった運用が一般的です。

仕組み

ランク・ティア制のロイヤルティプログラムは、年間購入額や利用回数といった条件を満たすことでランクアップし、基準を下回るとランクダウンする仕組みです。

シルバー・ゴールド・プラチナといったランクごとに受けられる待遇を変えることで、顧客行動の可視化やコントロールができるロイヤルティプログラムといえるでしょう。

企業側のメリット

ランク・ティア制のロイヤルティプログラムの導入メリットは、上位ランクを目指して顧客が利用を継続する点です。結果としてロイヤルティ向上とLTVの最大化につながりやすくなります。

また、上位ランクであることが顧客にとってステータスや特別感につながり、価格競争から抜け出せる点もランク・ティア制のロイヤルティプログラムの特徴です。

顧客側のメリット

ランク・ティア制のロイヤルティプログラムにおいて、顧客にとってはランクが上がることで受けられる優遇や限定特典による満足感が最大の魅力です。さらに、上位ランクほどポイント還元率アップや優待サービスなどの具体的なメリットが増えるため、再利用の動機づけにつながります。

ランクの維持や昇格が目標となり、ゲーム感覚で楽しみながら利用できる点も、他のロイヤルティプログラムにはない特徴です。

代表的な成功事例

以下が、ランク・ティア制のロイヤルティプログラムの代表的な成功事例です。

  • JALマイレージバンク・ANAマイレージクラブ:搭乗回数や利用金額に応じた会員ランク制度を採用
  • アメリカン・エキスプレス、ダイナースカード:上位会員向けに空港ラウンジやコンシェルジュサービスなど特別特典を提供
  • ユナイテッドアローズ:年間購入額に応じて優待セールへの招待やボーナスマイルが獲得できるランク制度を運用

ロイヤルティプログラム例3:パートナーシップ型

8名の人が手のひらを上に上にと添え重ねていっている画像

引用元:https://pixabay.com/photos/hands-friendship-together-people-3331216/

基本概要

パートナーシップ型とは、複数の企業やブランドが提携し、共通で利用できるポイントや特典を提供するロイヤルティプログラムです。

パートナーシップ型のロイヤルティプログラムは自社単独ではカバーできない顧客層にもアプローチでき、業種やサービスを横断した一貫性のある顧客体験を実現します。

仕組み

パートナーシップ型のロイヤルティプログラムの提携先における商品購入やサービス利用で、共通ポイントが貯まります。提携企業が、キャンペーンやポイント倍率といった特典内容を柔軟に設定可能です。

パートナーシップ型ではアプリやカードでポイントは一元管理され、オンラインとオフラインの垣根を越えて利用できることも特徴です。

企業側のメリット

企業のパートナーシップ型のロイヤルティプログラムの導入メリットは、単体ではリーチできない新たな顧客層にアプローチできることです。

さらに、提携企業間でポイントを共通通貨のように扱えるため、相乗効果によって経済圏を拡大しやすくなります。利便性の高さは、継続利用の促進や顧客の囲い込みにもつながります。

顧客側のメリット

顧客にとってパートナーシップ型のロイヤルティプログラムの魅力は、複数サービスで貯めたり使ったりできる利便性の高さです。提携先が豊富であるほど生活の幅広いシーンでポイントが利用でき、ブランドを横断した一体感のある購買体験を楽しめます。

代表的な成功事例

以下が、パートナーシップ型のロイヤルティプログラムの成功事例です。

  • Vポイント(Tポイント):コンビニ・金融・飲食など幅広い業種で利用できる共通ポイント
  • Pontaポイント:ローソン・じゃらん・ホットペッパーなど、多様な業種を横断して展開
  • dポイント:NTTドコモを中心に飲食・小売・ECなど幅広い業界へ拡大

ロイヤルティプログラム例4:経済圏拡張型

スマホを操作する人の背景に、音楽・インターネット・自動車・コメント・カート・インフォメーションのアイコンが並んでいる画像

引用元:https://pixabay.com/illustrations/smartphone-app-japanese-email-1184865/

基本概要

経済圏拡張型のロイヤルティプログラムは、グループ会社や提携サービスを連携させ、経済圏全体で顧客を囲い込む仕組みです。共通ポイントを中心に、金融・通信・旅行・エンタメなど、生活全体にロイヤルティプログラムが浸透している点が特徴です。

仕組み

顧客が提携サービスを利用するたびにポイントが貯まり、経済圏内のさまざまなサービスで利用可能です。経済圏拡張型のロイヤルティプログラムは多分野のサービスを横断しているため、顧客の利用が進むほど生活全体の囲い込みにつながります。

企業側のメリット

企業にとって経済圏拡張型のロイヤルティプログラムを導入するメリットは、経済圏内に顧客をとどまらせるロックイン効果が期待できる点です。

サービスからの離脱を防ぎやすくなるため、クロスセルやアップセルが発生しやすくなります。また、経済圏拡張型のロイヤルティプログラムは生活全体をカバーできるという強みがあるため、LTVの最大化にも有効です。

業種を横断して得られるデータは貴重なマーケティング資産となり、顧客囲い込みの強化に活用できます。

顧客側のメリット

顧客は複数サービスを使うほど相乗効果が生まれ、ロイヤルティプログラムによるお得感が高まります。経済圏内で生活に関わる消費が完結するため、顧客は利便性と安心感の両方が得られます。

代表的な成功事例

以下が、経済圏拡張型のロイヤルティプログラムの代表的な成功事例です。

  • 楽天経済圏:EC・カード・モバイル・旅行など、生活のあらゆる領域を連携
  • PayPay経済圏(ソフトバンク経済圏):スマホ決済を起点に、銀行・証券・保険・フリマまで拡大
  • Amazon経済圏:会員サービスを中心に、EC・動画・音楽・金融など多方面へ展開

ロイヤルティプログラム例5:エクスクルーシブ(会員限定型)

女性ふたりが並び、片方のスマホをのぞき込んでいる様子の画像

引用元:https://pixabay.com/illustrations/women-shopping-friendship-coffee-3452067/

基本概要

エクスクルーシブ型は、一部の優良顧客だけに特別な体験や特典を提供するロイヤルティプログラムです。重要顧客との関係を強化し、ブランドへのエンゲージメントを高めることを目的としています。

仕組み

エクスクルーシブ型のロイヤルティプログラムの典型例は、会員限定イベントシークレットセール限定商品の先行購入などです。条件達成が必要な招待制の場合が多く、特別感や希少性を演出できます。

企業側のメリット

エクスクルーシブのロイヤルティプログラムの提供メリットは、単価の高い顧客との関係をさらに強化できることです。単価と利益率の高い顧客に集中したマーケティングを展開できるため、ブランド価値を維持しつつLTVの最大化を図れます。

顧客側のメリット

顧客は、エクスクルーシブ型のロイヤルティプログラムによって、一般顧客とは異なる選ばれた特別感というステータスを実感できます。また、ECサイトへの限定アクセスや招待制イベントに参加が可能です。

ブランドとの心理的なつながりが強化されるため、深い愛着が生まれます。

代表的な成功事例

以下が、エクスクルーシブのロイヤルティプログラムの代表的な成功事例です。

  • ルイ・ヴィトン、エルメス:招待制イベントやプライベートセールへの参加
  • 高級ホテルチェーン:会員限定ラウンジや特別宿泊プランの利用

ロイヤルティプログラム例6:ゲーミフィケーション型

女性が壁に貼り付けられた4個の星の延長線上に、5個目の星を貼り付けようとしている画像

引用元:https://pixabay.com/vectors/feedback-survey-review-best-7323668/

基本概要

ゲーミフィケーション型は、ポイント獲得・バッジ・ランキング・達成報酬などのゲーム的要素を取り入れたロイヤルティプログラムです。「挑戦」や「達成感」を楽しめる仕組みにより、顧客の継続利用を自然に促します。

ゲーミフィケーション型は、とくに若年層やデジタルネイティブ世代に対して高い効果を発揮し、ブランドへのエンゲージメントを高める点が特徴です。

仕組み

ゲーミフィケーション型のロイヤルティプログラムでは、購入やサービス利用に応じたミッションを設定し、達成時にボーナスや特典が得られる仕組みです。アプリやWeb上で進捗を可視化することで、顧客のモチベーションを高め、継続的な利用を後押しします。

企業側のメリット

ゲーミフィケーション型のロイヤルティプログラムは、顧客がゲーム的要素を楽しみながら繰り返し利用することで、サービス利用の習慣化につながりやすい点が特徴です。

また、SNSのシェアや口コミによる自然な拡散効果も期待でき、コストを抑えた新規顧客の獲得も期待できます。

顧客側のメリット

顧客にとってゲーミフィケーション型のメリットは、買い物やサービス利用をゲーム感覚で楽しめる点です。特典を獲得する過程そのものが体験価値を高め、ブランドに対する愛着を醸成します。さらに、他の顧客との比較や情報共有を通じて、コミュニティ的な一体感も味わえます。

代表的な成功事例

  • スターバックス リワード:購入ごとにスターを貯めてランクアップし、eTicketやオリジナルグッズと交換できる仕組み
  • My マクドナルド リワード:ポイントを集めることで、クーポンやオリジナルグッズなどに交換可能

ロイヤルティプログラム例7:パーパス拡張型

山の頂上に向かって道がカーブを描きながら伸びていっている画像

引用元:https://pixabay.com/vectors/destination-goal-purpose-the-goal-1285851/

基本概要

パーパス拡張型は、顧客が企業の理念や社会的意義に共感し、それを通じてロイヤルティを高めていく仕組みです。割引や特典といったお得感ではなく、共感や応援によってブランドを支持するスタイルであり、Z世代やミレニアル世代の社会貢献意識の高い層にとくに効果を示します。

仕組み

パーパス拡張型のロイヤルティプログラムは、ブランドの価値観や理念への理解を深める体験やコンテンツを通じて顧客との関係性を構築します。

そのため、購買による特典付与だけでなく、理念に基づいたイベントや顧客同士が交流可能な限定コミュニティなど、ブランドの価値観を体感できる場の提供が重要です。

企業側のメリット

パーパス拡張型のロイヤルティプログラムの最大のメリットは、企業理念への共感を軸に顧客との関係構築が行える点です。理念に基づくコンテンツや体験を提供することで、顧客にブランドの価値観を深く理解してもらえます。

また、共感をベースにしたロイヤルティプログラムは顧客を消費者から共創するファンへと育て、長期的なブランドロイヤルティの形成につながります。

顧客側のメリット

パーパス拡張型のロイヤルティプログラムは、顧客に対して共感・信頼・安心といった心理的価値をもたらします。ブランドの理念に共鳴することで、購買行動そのものが自己表現や社会的メッセージの発信につながる点も魅力です。

代表的な成功事例

以下が、パーパス拡張型のロイヤルティプログラムの代表的な成功事例です。

  • Patagonia:売上の一部を自然保護に寄付し、先進的な環境保護活動を実施
  • IKEA Family:「より快適な毎日を、より多くの方に」という想いから、年会費・入会費無料の会員プログラムを提供
  • TOMS:「1足買うと1足を寄付する」という仕組みで知られ、社会貢献型ブランドの代表として世界的に支持されている

サムネイル画像:ECサイト戦略の全体像!集客・販売・リピートまで成功の仕組みを解説
サムネイル画像:アップセルとクロスセルの違いは?目的、メリット・デメリット、施策方法を比較解説
サムネイル画像:かご落ち対策の決定版!“買わない理由”を潰して購入率を上げる方法

この記事をシェアする