思いどおりの、ネットショップを。|イージーマイショップ

トップ コラム すべて 【2025年最新版】化粧品ECの最新市場動向と成功事例!メリットと成功させるためのポイントも解説

【2025年最新版】化粧品ECの最新市場動向と成功事例!メリットと成功させるためのポイントも解説

サムネイル画像:【2025年最新版】化粧品ECの最新市場動向と成功事例!メリットと成功させるためのポイントも解説

化粧品ECは年々市場が拡大し、今や多くのブランドが参入する成長領域です。一方、実際に試せない不安や薬機法による規制や競争の激化といった課題もあり、成功には工夫が欠かせません。

本記事では、最新データや成功事例をもとに、化粧品ECの現状と可能性、成功するための具体的なポイントを解説します。

化粧品EC業界の現状

化粧品を手に持っている女性の画像

引用元:https://pixabay.com/ja/photos/%E5%8F%A3%E7%B4%85-%E5%8C%96%E7%B2%A7%E5%93%81-%E5%A5%B3%E6%80%A7-%E5%8C%96%E7%B2%A7-%E6%89%8B-4743984/

化粧品EC市場は拡大を続けており、今や多くのブランドにとって重要な販売チャネルになっています。ただし、成長が続く一方で「EC化率の低さ」や「化粧品EC特有の課題」もあり、現状を正しく把握することが大切です。

市場規模・成長推移

経済産業省 【令和 6 年度
電子商取引に関する市場調査
報告書】より、物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移に関するグラフの画像

引用:令和6年度電子商取引に関する市場調査

化粧品EC市場は2022年から2024年にかけて右肩上がりの成長を続けています。

市場規模推移
2022年9,191億円7.48%増
2023年9,709億円5.64%増
2024年10,150億円4.54%増

市場規模は2022年には9,191億円、2023年には9,709億円、2024年には10,150億円と、年々拡大しています。増加率は7.48%→5.64%→4.54%とやや鈍化しているものの、依然として安定した成長を見せており、中長期的に有望な市場といえるでしょう。

化粧品業界のEC化率

化粧品は実際に試してみないと分からない性質を持つため、「経験財」に分類されます。そのため、高価格帯の商品では店頭でのカウンセリングやタッチアップを重視する消費者も多く、他業界に比べてEC化率は低めです。

EC化率
2022年8.24%
2023年8.57%
2024年8.82%

実際の数値としては、2022年のEC化率が8.24%、2023年が8.57%、2024年が8.82%と、着実に拡大しているものの一桁台にとどまっています。裏を返せば、まだ大きな伸びしろが残されている市場ともいえます。

化粧品EC業界の課題

市場拡大の一方で、化粧品EC特有の課題も数多く存在します。法規制、販売・マーケティング、物流、競争環境の4つの視点から整理すると以下の通りです。

法規制・コンプライアンス

化粧品ECでは、法規制が大きな壁です。とくに薬機法によって効果効能の表現は厳格に制限されており、広告や商品説明には細心の注意が必要です。それだけでなく、成分表示は正確かつ分かりやすく提示しなければ、消費者の不安やトラブルにつながります。

また、法規制や輸送制限は国ごとに異なるため、越境ECを行う場合には販売展開に制約が生じやすい点も無視できません。

とくに注意が必要なポイント:

  • 薬機法で表現に制限を受ける
  • 越境ECは国ごとの規制・輸送制限に注意が必要

販売・マーケティング上の課題

化粧品は実物を試せない不安が大きいため、EC販売では購入をためらうユーザーが少なくありません。そのため、返品保証やサンプル施策を導入して心理的ハードルを下げる工夫が求められます。

また、消費者は口コミに強く依存するため、虚偽レビュー対策や信頼性のあるレビュー環境づくりが必須です。加えて、化粧品ECは競争が激しいため、ブランドの差別化とリピーターを確保する仕組みが不可欠となります。

物流・顧客体験の課題

化粧品ECの運営において、物流は大きなハードルのひとつです。商品特性として、化粧品は高温や衝撃に弱いため、品質を守るための特殊梱包や温度管理が欠かせません。こうした対応は顧客満足度の維持につながる一方で、企業側にとってはコスト増加の要因となります。

さらに、肌トラブルを理由とした返品や交換が発生しやすく、コスト負担も積み重なりがちです。加えて「送料無料」が当たり前という消費者の期待や小口配送の増加により、利益率を圧迫する構造が強まっています。

競争環境の課題

化粧品ECは市場の拡大に伴い、競争の激しさが年々増しています。環境変化に柔軟に対応できるかどうかが、ブランドの生存を左右します。

まず大きな問題が広告費の高騰です。小規模ブランドほどROIを確保しにくく、限られた予算で効率的な集客を行うことは難しくなっています。また、TikTokやライブ配信といった新しいチャネルへの対応が遅れると、消費者の関心を獲得できず、すぐに競争劣位に陥ってしまうリスクがあります。

加えて、集客・販売がモールに依存している場合、手数料負担や規約変更の影響を避けられず、自社ECを強化してリスク分散を図る必要性も高まっています。

化粧品ECの成功事例

グラフが印刷されたノートとペン・スマートフォンの画像

引用元:https://www.photo-ac.com/main/detail/26659998

ここでは、国内外の代表的なブランドの成功事例を紹介します。

オルビス

オルビスの公式サイトTOPの画像

引用元:https://www.orbis.co.jp/

オルビスは直販に特化したスキンケアブランドで、アプリや自社ECを軸に高いリピート率を実現しています。定期便や同梱機能、アプリ連携といったCRM設計が充実しており、直販比率は国内売上の85%超に達しています。

オルビスブランドとしての売上は481.9億円、営業利益率17.2%と高水準を誇っています。

参考:POLA ORBIS HOLDINGS セグメント別情報

ファーマフーズ

ファーマーズの公式サイトTOPの画像

引用元:https://www.pharmafoods.co.jp/btoc/items

育毛剤・化粧品を主力にするファーマフーズは、テレビやラジオを活用したダイレクト販売と自社ECを組み合わせて拡大しています。定期会員中心のD2Cモデルを展開しており、広告投資を最適化しつつ新製品による成長を狙っています。

2023年度のBtoC事業は売上147.7億円ながら、広告費の増加により営業利益は-3.9億円となっています。

参考:株式会社ファーマフーズ2025年7月期 第2四半期(中間期)決算説明会

ファンケル

FANCLの公式サイトTOPの画像

引用元:https://www.fancl.co.jp/

無添加スキンケアで知られるファンケルは、長年にわたり直販を強みとしてきました。自社通販や外部ECを組み合わせ、データ活用によるCRMやリピート施策で収益を拡大しています。

通販事業の売上は571億円に達しました。

参考:ファンケルグループ2024年決算期

PHOEBE BEAUTY UP

PHOEBE BEAUTY UPの公式サイトTOPの画像

引用元:https://phoebebeautyup.com/

PHOEBE BEAUTY UPはまつ毛美容液で急成長したD2Cブランドです。UGC活用やLP最適化、ecforce基盤を用いたCVR改善により、ローンチから2年で年商15億円に到達しました。縛りのないサブスク導線を整え、SNSを中心に顧客を拡大しています。

非上場のため売上規模等は非開示。公開事例では年商15億円規模到達が確認できます。

参考:2年で年商15億を実現した「PHOEBE」マーケティングの成功要因とは?

MEDULLA

MEDULLAの公式サイトTOPの画像

引用元:https://medulla.co.jp/

パーソナライズ型ヘアケアブランドMEDULLAは、カウンセリング化粧品のEC販売として、初回診断から処方・定期配送まで一貫した仕組みを構築しています。

累計100万本の販売実績を持ち、EC会員数は30万人規模に到達しました。継続率を重視したサブスクモデルで、ヘアケア市場に新しいポジションを築いています。

非上場のため、売上・利益率は非開示です。

参考:日本の化粧品・コスメD2Cブランド成功事例

Shiseido(資生堂)

資生堂の公式サイトTOPの画像

引用元:https://brand.shiseido.co.jp/

資生堂は国内外に幅広いブランドを展開する大手で、「ワタシプラス」「Beauty Key」などの自社ECや会員プログラムを強化しています。「Beauty Key」で会員情報の統合・OMO戦略を推進し、社員インフルエンサーやライブ配信を通じて顧客接点を拡大しました。

2024年の日本市場は売上は約9,900億円、2年連続10%成長を記録し、EC化率は33%に達しています。

参考:株式会社資生堂 2024年実績 および2025年見通し

SK-II

SK-Ⅱの公式サイトTOPの画像

引用元:https://www.sk-ii.jp/

SK-IIは日本発のプレステージブランドで、百貨店販売に強みを持ちながらEC施策を積極的に展開しています。

AI肌診断やOMO戦略を取り入れ、楽天などの大手モールを広告媒体として活用しています。越境ECや中国市場でのライブコマースも成功要因の一つです。

SK-IIブランドとしての利益率の詳細は非公開ですが、プレミアム価格帯で高収益ブランドとして位置付けられています。

参考:「SK-II」の“リテールメディア”活用法とは

化粧品ECのメリット

MERITと書かれた木のブロックが並んでいる画像

引用元:https://www.photo-ac.com/main/detail/25200916?title=%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%96%87%E5%AD%97%E7%B4%A0%E6%9D%90

化粧品ECは課題も多い一方で、事業者とユーザー双方に大きなメリットがあります。ここでは、運営側と購入者側それぞれの観点から整理します。

事業者側のメリット

ECの導入は、販売チャネルの多角化だけでなく、効率的な運営やデータ活用による収益拡大にもつながります。とくに、化粧品のようなリピート性の高い商材では、その効果が大きく表れます。

幅広い顧客層にアプローチできる

オンライン販売は、従来の実店舗ではカバーできなかった地域や層にリーチできます。SNSや検索広告を組み合わせれば、関心層への効率的なアプローチが可能になり、モールと自社ECの併用でブランド接点を最適化できます。

在庫・販売管理の効率化

ECでは受注や在庫、決済、問い合わせ対応をシステムで自動化でき、人件費やヒューマンエラーを削減できます。また、定期購入モデルや消費期限管理を取り入れることで、過剰在庫や廃棄のリスクを抑えられます。

マーケティングデータが活用できる

ECの強みは、購買や閲覧データを活用して顧客を深く理解できる点です。セグメントごとに施策を打ち分けたり、パーソナライズ配信でCVRを高めることが可能です。レビューやUGCの分析を通じ、商品開発やLP改善にもつなげられます。

販売コストの最適化が可能

店舗運営に比べ、ECは家賃や人件費などの固定費を抑えられます。また、デジタル広告はABテストで最適化でき、フルフィルメントや同梱物の標準化で、1件あたりの原価も逓減します。

ユーザー側のメリット

消費者にとっても、ECは「便利さ」「選択肢の豊富さ」「安心感」「プライバシー確保」といった魅力があります。

24時間いつでも購入できる

店舗の営業時間に縛られず、好きなタイミングで買えるのはECならではの利点です。とくに忙しい社会人や子育て世代にとって、欲しいときに即注文できるのは利便性が高く、購買機会を逃しにくくなります。

豊富な商品ラインナップ

ECでは店舗に比べて品揃えが豊富で、実店舗では扱えないカラーバリエーションや限定品、海外ブランドも容易に入手できます。複数商品を比較検討できる点も消費者にとって大きな魅力です。

レビュー・口コミの参考

購入前に実際の使用感を知ることができるのはECの強みです。SNSや動画レビューを組み合わせることで、ユーザーのリアルな使用感を確認し、評価の高い商品を見つけやすい利点があります。

プライベート性の高さ

店頭では買いにくい商品も、ECなら周囲の目を気にせず購入できます。周囲を気にせず自分のペースで選べますし、購入履歴が残ることで、リピート購入もスムーズに行えます。

化粧品ECを成功させるためのポイント

虫眼鏡の前にPOINTという文字が並んでいる画像

引用元:https://www.photo-ac.com/main/detail/32042804&title=%E8%99%AB%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%81%AB%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E6%96%87%E5%AD%97

拡大を続ける化粧品EC市場ですが、課題も多く存在します。その中で成果を上げるには、化粧品という商材の特性を踏まえた取り組みが欠かせません。

肌に触れる商品の特性を踏まえた信頼性確保

化粧品は体に直接使う商品なので、安全性と信頼性が最も重要です。

薬機法などの表現規制を順守したうえで、効果効能を正しく伝えることが求められます。また、全成分や安全性を分かりやすく開示することで不安を軽減できますし、レビューや口コミの質を高めることがトラブル回避につながります。

試せない不安をどう解消するか

店頭のように実際の色味や使用感を試せないことは、化粧品ECの大きな障壁です。これを克服するためには、初回限定のサンプルやトライアルキットを提供し、購入のハードルを下げる工夫が必要です。

また、AI肌診断やメイクシミュレーションといったデジタル施策で疑似的に商品を体験してもらうことも効果的です。

いざというときも返品・返金保証を整えておくと、ユーザーの安心感をさらに高められます。

ビジュアルと体験を重視したマーケティング

化粧品は「悩みを解決する商品」であるため、使用感を直感的に伝えるビジュアルが購買を左右します。写真や動画、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用した訴求はとくに効果的です。SNSでは、商品のテクスチャー(使用感)が伝わる動画や、メイクアップ効果による変化を分かりやすく示すコンテンツなどが、購買の決め手となりやすい特徴があります。

パーソナライズと提案力

オンラインでも一人ひとりの肌質や悩みに合わせた提案ができれば、顧客満足度を大きく高められます。

オンライン診断サービスや質問チャートなどを通じて個別のお客様に最適な商品を提示できる仕組みがあると効果的です。さらに、セット販売やレコメンド機能を活用すれば、客単価アップやクロスセルの機会を広げられます。

消耗品ならではのリピート設計

化粧品は消耗品であり、リピート購入が前提の商材です。定期便やサブスクとの相性が良く、購入履歴をもとに使用タイミングでリマインドすればユーザーの継続率を高められます。

会員ランク制度やポイント付与を設計することで、ブランドへのロイヤルティも強化できます。


この記事をシェアする