
新たにECサイトを立ち上げた方や、運営中のネットショップの商品ラインナップを拡充したいと考えた際、「どこで信頼できる仕入れ先を見つければいいのか」「ロット数や取引条件の確認に手間がかかる」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そのような仕入れに関する課題を解決し、効率的な仕入れを実現する手段として注目されているのが「ネット卸売」です。
本記事では、事業者向けの「ネット卸売」の仕組みや、卸・仕入れサイトの選び方、利用の流れについてわかりやすく紹介します。さらに、仕入れるだけでなく、メーカーや卸売事業者が「自社商品をネットで卸売する方法」についてもあわせて解説します。
ネット卸売(卸・仕入れサイト)とは
ネット卸売の仕組み(BtoB取引の流れ)
ネット卸売とは、事業者間(BtoB)で行われる卸取引をオンライン上で行える仕組み、またはそのプラットフォームとなるサイトのことを指します。
主に、商品を販売したい「メーカー・卸業者」と、商品を仕入れて販売したい「小売事業者(ECサイト運営者など)」をインターネット上で結びつける役割を果たしています。メーカーや卸売業者がプラットフォーム上に商品を出品し、小売事業者が会員登録することで、一般の販売価格より安い「卸価格」で商品を仕入れられます。
ネット卸売は、実店舗を持つ小売店はもちろん、個人でネットショップを運営している事業者にとっても、新たな商材を見つけるための重要な仕入れルートです。オンライン上で商品検索から発注、決済までが完結するため、効率的に取引を行えるのが大きな特徴です。
従来の仕入れとの違い
従来の仕入れといえば、展示会に足を運んだり、問屋街を歩き回って直接交渉したりする対面での取引が主流でした。しかし、ネット卸売を活用すれば、時間や場所を問わずパソコンやスマートフォンから24時間いつでも仕入れが可能です。また、従来は複数の問屋を回って価格や条件を比較する必要がありましたが、ネット卸売では画面上で簡単に複数業者の価格比較ができます。
さらに、従来の問屋ではまとまった数量での購入(大ロット)が求められるケースが多かったのに対し、ネット卸売では1点などの小ロット対応を行っているサプライヤーも多いため、資金が限られる初心者でも参入しやすくなっています。
ネット卸売を利用するメリット
仕入れる側の視点から見た、ネット卸売(卸・仕入れサイト)を利用する主なメリットは以下の4点です。
①24時間いつでも発注できる
インターネット環境さえあれば、深夜や早朝、休日を問わず24時間いつでも商品を探して発注できます。ネットショップ運営のスキマ時間や営業終了後など、自分の都合に合わせて仕入れ業務を進められるため、業務効率が大幅に向上します。
②複数サイト・業者で簡単に価格を比較できる
卸・仕入れサイト内には多数のメーカーや卸業者が参加しており、複数の業者から見積もりをとるような感覚で、簡単に価格や取引条件を比較できます。同じような商材で、より条件の良い仕入れ先を効率的に見つけることが可能です。
③小ロットから仕入れられる
在庫リスクを抑えたい小規模なネットショップや個人事業主にとって、少ない数量から仕入れられるのは大きなメリットです。ネット卸売では1点や数点からの小ロット注文に対応しているメーカーが多く、テストマーケティングとして少量を仕入れて販売状況を見る、といった柔軟な運用が可能です。
④商品ラインナップを強化しやすい
サイト上にはアパレルから日用雑貨、食品まで何十万点もの商品が掲載されています。トレンドのアイテムやニッチな商品など、これまでのルートでは出会えなかった商材を手軽に見つけられ、自社ECサイトの商品ラインナップを迅速に拡充・強化できます。
ネット卸売の利用の流れ4ステップ
実際にネット卸売(卸・仕入れサイト)を利用して商品を仕入れる際の基本的な流れを4つのステップで解説します。
①会員登録(事業者審査)
まずは利用したい卸・仕入れサイトにバイヤー(仕入れ側)として会員登録を行います。BtoB取引になるため、一般消費者と区別するために事業者審査が行われるのが一般的です。
審査時には、法人の場合は登記簿謄本、個人事業主の場合は開業届の控えやショップのURLなど、事業者であることを証明する書類の提出を求められる場合があります。
②卸価格・商品情報の確認
審査に通過し会員登録が完了すると、一般公開されていない「卸価格(下代)」や詳細な取引条件(ロット数、送料など)を閲覧できるようになります。
カテゴリ検索やキーワード検索を活用し、自社のコンセプトに合った商品を探します。商品画像の使用許可や、販売価格(上代)の指定があるかどうかも確認しましょう。
③発注
仕入れたい商品が見つかったら、カートに入れて注文手続きを行います。注文時には、最低注文金額や最低ロット数が設定されていることがあるため、条件を満たしているか確認が必要です。
ECサイトで買い物をするのと同じような手順・流れで発注が完了します。
④支払い・受け取り
最後に代金の支払いと商品の受け取りです。
決済方法はクレジットカードや銀行振込のほか、BtoB特有の「掛け払い(後払い)」に対応しているサイトも多数あります。掛け払いを利用すれば、資金繰りを安定させやすくなります。商品が手元に届いたら、数量や状態に問題がないか検品を行いましょう。
ネット卸売の注意点
便利でメリットの多いネット卸売ですが、利用する際にはいくつか気をつけるべき注意点があります。
①最低注文数(ロット)と取引条件の確認
小ロット対応が増えているとはいえ、商品やメーカーによっては「1カラーにつき5点以上」「初回購入は3万円以上から」といった最低注文数(ロット)や最低注文金額が設定されていることがあります。
条件を満たさないと購入できないため、発注前に必ず詳細を確認しましょう。
②送料・手数料を含めた原価計算
卸価格が安く見えても、送料や決済手数料を含めると想定より仕入れ原価が高くなってしまうケースがあります。
とくに少額の仕入れでは送料の負担割合が大きくなるため、トータルの費用で利益が出るか、しっかり相場と照らし合わせて原価計算を行うことが重要です。
③返品・キャンセル条件の確認
BtoB取引では、BtoC(消費者向け)取引と異なり「クーリングオフ」が適用されません。
不良品や誤配送以外の、自己都合(イメージ違いなど)による返品・キャンセルは原則不可としている業者がほとんどです。事前に各サプライヤーの返品条件・ルールをよく確認しておきましょう。
④同じ商品を扱う競合と被りやすい
ネット卸売は誰もが手軽に利用できる反面、同じ商品を仕入れて販売するライバルが多くなりがちです。
とくに人気商品はECモール内などで価格競争に陥りやすいため、写真や商品説明文を自作で工夫する、集客方法を差別化するなどの対策が必要です。
卸・仕入れサイトの選び方と代表的なサービス
タイプ別の選び方(総合モール型・カテゴリ特化型)
卸・仕入れサイトには、大きく分けて「総合モール型」と「カテゴリ特化型」の2つのタイプがあります。
総合モール型は、アパレル、雑貨、家具、食品など幅広いジャンルの商材を網羅しているのが特徴です。多様な商品の中からまとめ買いをしたい場合や、これからネットショップを始めるにあたり、どのような商品を扱うか幅広く探したい初心者におすすめです。
カテゴリ特化型は、「アパレル専門」「食品専門」「美容商材専門」など、特定のジャンルに絞って深く商品を取り扱っています。総合モール型にはないマニアックな商品や、専門性の高いプロ向け商材を見つけやすいため、すでにショップのコンセプトが定まっており、より専門的な品揃えで競合と差別化を図りたい事業者に適しています。
扱う商材や現在の事業規模に応じて、自社に最適なタイプを選びましょう。
代表的な卸・仕入れサイト
日本国内でよく利用されている代表的な卸・仕入れサイトを紹介します。それぞれ得意とするカテゴリが異なるため、目的に合わせて登録を検討してみてください。
NETSEA(ネッシー)
日本最大級のBtoB総合卸・仕入れサイトです。アパレルから日用雑貨、家電まで幅広いカテゴリを取り扱っており、小ロットからの仕入れも可能なため、個人事業主やEC初心者に非常に人気があります。
公式サイト:https://www.netsea.jp/
スーパーデリバリー
アパレルやファッション雑貨、インテリアなどを中心に、メーカーと小売店をつなぐ仕入れサイトです。審査が比較的厳格ですが、その分質の高い商材や、一般には出回りにくいブランド品を見つけやすいのが特徴です。
公式サイト:https://www.superdelivery.com/
ザッカネット(zakka net)
その名の通り、生活雑貨やインテリア、ギフト雑貨などに特化した仕入れサイトです。おしゃれでデザイン性の高いアイテムが多く、雑貨店やライフスタイル系のECサイトを運営する方におすすめのプラットフォームです。
公式サイト:https://www.zakka.net/
国分ネット卸
食品や飲料、酒類に特化した仕入れサイトです。大手食品卸の国分グループが運営しており、常温加工品から菓子、業務用食品まで幅広いラインナップを誇ります。食品を扱うネットショップや飲食店に最適です。
公式サイト:https://netton.kokubu.jp/shop/default.aspx
個人事業主・開業前でもネット卸売は使える?
結論から言うと、多くのネット卸売サイトは法人だけでなく個人事業主でも利用可能です。
しかし、あくまで「事業者向け(BtoB)」のサービスであるため、一般消費者の登録を防ぐ目的で、会員登録時に審査が設けられています。審査の基準はサイトによって異なりますが、開業前や事業実態がない状態では審査に通りにくい傾向があります。
個人事業主が審査をスムーズに通過するためには、「開業届」の控えを提出できることが一つの目安となります。また、すでに運営中のネットショップがある場合は、そのURLを提出することで事業実態を証明しやすくなります。
さらに注意したい点として、ネット卸売やオークションサイトなどで「中古品(リユース品)」を仕入れて販売する場合には、所轄の警察署で「古物商許可」を取得する必要があります。新品の仕入れであれば不要ですが、扱う商材によっては許可が必要になる点も事前に把握しておきましょう。
仕入れた商品をネットショップで販売するには
卸・仕入れサイトで商品を仕入れた後の販売先としては、大きく分けて「フリマアプリ」「ECモール(Amazonや楽天市場など)」「独自のネットショップ(自社EC)」の3つの選択肢があります。
フリマアプリやECモールは集客力がある反面、販売手数料が高く利益率が下がりやすい傾向があります。また、プラットフォームの制約により、独自のブランドカラーを出しにくく、顧客が「お店(ブランド)」ではなく「モール」に定着してしまうため、リピーター育成が難しいのが課題です。
長期的な目線で利益率を高め、自社のファン(リピーター)を育成していくのであれば、クラウドECやASPカートを利用して独自のネットショップ(自社ECサイト)を持つことをおすすめします。
ECパッケージやオープンソース、フルスクラッチでのECサイト構築を制作会社に依頼すると数百万単位の費用や数ヶ月の期間がかかるのが相場ですが、手軽なASPカートを使えば、短期間かつ低コストで公開することが可能です。
ネットショップを無料で手軽に開設!イージーマイショップの詳細はこちら自社商品をネット卸売する方法
ここまでは、卸・仕入れサイトを利用して商品を仕入れる方法を解説しました。一方、メーカーや卸売事業者が、自社の商品を取引先向けにネット販売(卸売)する方法もあります。
自社商品を卸す側に回るには、大きく分けて2つの方法があります。
①卸売モールへの出品(サプライヤー登録)
NETSEAなどの既存のBtoB卸売モールに「出展者(サプライヤー)」として登録する方法です。
モール自体にすでに多くのバイヤー(小売店)が集まっているため、自社で集客を行わなくても新たな取引先を開拓しやすいのがメリットです。ただし、出品手数料や売上に応じたロイヤリティが発生する点に注意が必要です。
②自社で会員制の卸売サイトを持つ
もう一つは、自社専用のBtoB向け卸売ECサイトを構築する方法です。これまで電話やFAXで行っていた既存の取引先からの受注業務をデジタル化することで、聞き間違いや入力ミスの防止、対応時間の大幅な削減につながり、業務効率を大幅に改善できるのがメリットです。
自社で卸売サイトを構築する場合、「イージーマイショップ」の会員制ネットショップ機能を活用するのがおすすめです。イージーマイショップを使えば、一般ユーザーには見えない非公開の取引先限定の卸売サイトを簡単に構築できます。さらに、取引先をグループに分け、異なる卸価格を設定することが可能です。
また、BtoB取引で重要となる「セット販売」や、購入数に応じて単価を下げる「ボリュームディスカウント機能」を利用したまとめ買い対応もスムーズに行えるため、客単価の向上にもつなげやすいのが利点です。
イージーマイショップでは、無料アカウントを発行することで、本来有料のスタンダードプランを60日間無料でお試しいただけます。有料プランでは、会員機能・セット販売・ボリュームディスカウント機能をすべて利用できるため、実際の使い勝手を、まずはコストゼロで確認してみてください。
60日間無料で会員制ネットショップ機能を試してみるネット卸売に関するよくある質問
ここでは、ネット卸売についてよく寄せられる質問をQ&A形式で解説します。
Q. 個人でもネット卸売サイトで仕入れできますか?
はい、開業届などを提出すれば個人事業主でも利用可能です。
多くのネット卸売サイトは個人事業主の登録を受け付けています。ただし、BtoB専用サイトであるため、一般消費者ではないことを証明するために、登録時の審査で開業届の控えや事業用のWebサイトURLの提出が求められるのが一般的です。
Q. ネット卸売の支払い方法にはどんなものがありますか?
クレジットカード、銀行振込、代金引換のほか、掛け払い(後払い)が利用できるケースが多いです。
決済方法はサイトや取引先によって異なりますが、BtoB取引特有の「Paid(ペイド)」などの決済代行サービスを通じた掛け払い(請求書後払い)に対応しているサイトが多数あります。月末締めの翌月払いなどが可能になるため、資金繰りがしやすくなります。
Q. 小ロットでも仕入れできますか?
はい、1点や数点からの小ロット仕入れに対応しているサイト・業者は多数あります。
ネット卸売サイトの大きな特徴として、小規模な事業者向けに小ロットでの卸売に対応しているサプライヤーが多いことが挙げられます。ただし、メーカーによっては最低発注金額(例:1万円以上から)が設定されていることもあるため、注文前に取引条件をよく確認してください。
まとめ:ネット卸売を活用して仕入れ・販売業務を効率化しよう
本記事で解説したように、ネット卸売を活用すれば、時間や場所を問わず手軽に複数業者の価格比較や仕入れができ、発注業務を大幅に効率化できます。
ネット卸売を活用して継続的に仕入れ・販売する場合は、受注から入金、在庫、発送までの業務を自社ECでまとめて管理できると日々の運営がスムーズになります。また、自社商品を卸売する側に回る場合は、取引先限定の会員制サイトの構築や卸価格の設定、セット販売などに対応できるシステムが必要です。
この「仕入れた商品の販売」と「自社商品の卸売サイト構築」の両方の課題解決におすすめなのが、イージーマイショップです。
イージーマイショップなら、専門知識がなくてもECサイトが制作でき、煩雑になりがちな運営業務を一元管理できます。また、会員制ネットショップ機能を使えば取引先限定の卸売サイトを構築でき、会員グループごとの卸価格設定や、セット販売・ボリュームディスカウント機能によるまとめ買い対応が可能です。
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